気多山・八辻ノ森
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大成林道と風穴
距離 約3.3km
標高差 約340m
一般道
林道
徒歩
下記写真の場所
送電鉄塔・アンテナ施設
見晴らしあり

大成無線中継所の西側に立つプレハブ小屋。
屋根がめくれてたりするその小屋の前に、
大成林道の終点があります。
大成神宮まで約3km歩いて下山します。



下り始めて最初のカーブ。
カーブの内側に「乗ってみない?」って、
云ってるような岩があったので、
素直に乗ってみました。

  

岩の上から見えた景色です。
ホントに今日は空気も澄んでいて、午後になっても雲が湧かず、
何重にも重なった山の影が遠くまで続いていました。
代表的なところだと、(写真左に)笠取山、狼ヶ城山、雨乞山から、
(中央に)桂ヶ森、黒森山、(右に)皿ヶ嶺連峰、大ノ森、本谷山まで。
谷下には今朝登ってきた面河の集落。
本日最後のパノラマを焼き付け、
神様仏様、そのほか迷惑かけてる皆様に感謝し、
再び歩き出しました。



それなりに上ってくる車があるようで、
轍が草に隠れず、残ってて、
よく踏み固められています。
アンテナや中継所の補修とかで、
定期的に登ってくる人もいるんでしょう。
当日は大きな落石も見当たりませんでした。



小さな切り通し。
平らななのは嬉しいんだけど、
枯れ葉の絨毯だった稜線に比べると、
やっぱり砂利道は足に負担がかかりますね。

下るほどに西向かいの大ノ森(写真右)が段々に、
手前のお山に隠れてゆきます。
大ノ森も結構、歩くお山です。
僕も登る日が来るのかなぁ?



木陰ゾーンでキノコの集団発見っ。
ただ、毒キノコっぽい。
というか、知らないキノコはみんな毒に見える…。

見上げたらきれいに紅葉してたので。

7番目のカーブ付近で雑木林から人工林へ。
人工林に出会っただけで、里に降りてきた気がして、
ホントはまだまだ遠いんだけど、
ちょっと名残惜しい…。



丸太の擁壁。
だいぶ下ってきたようで、でもまだ3分の1。

車のための林道なので、傾斜を緩やかにする都合上、
大きく左右に道が振られています。
最初は南北、途中から東西に、計9回、行ったり来たり。

この擁壁のある辺りから下向いてまっすぐ下れたら、
風穴へ出られるんだけど、
そんな都合のいい道なんて無いのでした。



8度目のカーブを曲がり、長い直線を歩いてたら、
さっき降りてきた無線中継所が見えました。
もうこんなに下っちゃいました。

高度が下がれば黄葉も散らずに残っています。



最後、9番目のカーブで砂利道が終わり、風穴への遊歩道に出会います。

こっちが舗装されてる下山側。

こっちが風穴への遊歩道。
林道を延々歩いて疲れてるけど、
元気出して寄り道スタート。

倒木越えるのも“たいぎい”ですけど。
風穴は3分ほどで着けるので、ガマンして歩きます。



風穴、正式名称「大成風穴群」に到着です。
東屋のほかに小屋が二つあって、
ちょっと興味が湧いてきました。

村指定天然記念物

名称

大成風穴群

面河村指定年月日

昭和63年11月1日

場所

面河村大成435番地 437番地438番地 439番地

所有者

長岡悟

員数

33,609m2

大成風穴は、1個ではなく、冷風、温風を吹き出す数多くのものが分布する(風穴群)とされる。
明治45年当時の状態に復元された第1号蚕種蔵庫(冷風穴)と その約20m下方にある温風穴(奇穴)の近くには2号蚕種蔵庫跡があり(これは当時2階建となっており、2階は事務所として使用されたという)また、この 風穴分布地一帯は年中氷のある場所として知られ、夏季においても1m掘れば氷を手に入れることが出来たという。

面河村

「杖に選ぶ黒文字の木の落葉して 雷死久」

正面の大岩になにか祀られていて、
右には石積みの家に小屋が載っています。
壊れ気味だけど、トイレも一応、
奥の林を一段上がったところにありました。

「科戸大神」だそうです。

復元された2号蚕種蔵庫跡。
ドアは鍵はかかってなかいようだったけど、
びくとも開きませんでした。

横から見ると感じ。
この20m上にあるのが-

この第1号蚕種蔵庫。
こちらも中に扉があります。
薄暗かったので覗くのはやめておきました。



寄り道終わって、あとはホントに歩くだけ。
アスファルトは固いけど、
凸凹砂利道よりかは足首が楽ちん。



地滑り防止の工事現場。
久しぶりに人に会った瞬間でもありました。

視線を上げるとこんな感じに、
大ノ森を隠したお山が見えます。

ずっと上の方から沢の水を黒いホースで引いてて、
ホースから湧いてるきれいなところをいただきました。

  

現場はきれいに伐採してあるので、
堂ヶ森、五代ヶ森、最後に登ったアンテナのピークが見えました。

最後に堂ヶ森のアップ。



薄暗くなり始めた森の中、
大成神宮の金鳶殿が傾いた陽を背に登場。
とうとう降りてきました。

神社裏に裏道みたいなのがあったので登ってみたけど、行き止まり。
石垣沿いに行けるかと思ったんですけど、
ヤブってたので心が挫けてしまいました。



で、素直に林道歩いて、
すぐに駐車場に到着しました。



帰り道で。

ひとりごと

下山し始めるとなんだか淋しいもので、でも、早く着けないのはしんどくて。
もっと長居したいけど、長いこと歩くのはしんどい…。

大成林道は大成神宮まで約3km、標高差300mを下ります。
上にも書きましたけど、車向きに道が設計されてるので、北へ行ったり東へ行ったり、ジグザグ遠回り?します。
車なら十数分のところを1時間くらいのんびり降りるわけです。

僕はお山ではいつも、ケモノ避けもかねてmp3プレイヤに外部スピーカーを接続して、好きな歌を聞きながら山歩しています。
で、時に、誰もいないだろうと思って、大きな声で歌ったりして。
たまに、カーブの先や、つづれ折の道の下に山仕事のおじさんとかがいて、恥をかくこともあるけど。
長い一人歩きもなんとか暇がつぶせてます。
花とか木の名前が分かる人なら、暇つぶしが道端にたくさん落ちてていいでしょうね。
僕は全然だから、ただ歩くだけです。

風穴へ、寄り道しましたけど、皿ヶ嶺の風穴に比べたら冷気の吹き出しはあまり感じませんでした。
周辺もそんなに寒いわけでもなく、苔むした岩がゴロゴロしてる森の中、って感じのところでした。
でも、昔は夏でも氷が地中に残ってたって云うんだから、夏の暑い時が一番楽しめるのかも。

というわけで、後はてくてく歩いて駐車場へ。

戻ってみたら、朝、境内を掃除してたおばさんがちょうど帰るところでした。
ちらっと話、させていただきました。
すると、僕の存在に気がついていたらしく、僕がなかなか下山してこないので心配していたとのこと。
ご心配お掛けいたしました、すみません。
八辻ノ峰まで行ってたんですと説明したら、あら、そうなの、と驚かれて。
おばさんは気多山までは登ったけど、八辻ノ峰はまだ行ったことがないそうです。
今日、お客さんに鉄塔(無線中継所)のことを訊かれたとか、そんな話をされました。

神社からの帰りは、いつものようにエンジンかけない「エコ下り」で麓まで。
上りで余計に使ったガソリンをこれで回収?です。

そんな時、出会いました、

…ヤツに。

ぶひぶひ。

大きなイノシシでした。
カーブの先の路上にいて、びっくり。
イノシシの方がびっくりしたかな。
向こうから必死こいて逃げてくれたので被害はなかったんですけど、
僕は下らなきゃならないし、イノシシもそっちへ逃げるし。
なんか、追いかけっこしてるような形になっちゃって、イノシシには悪いことしました。
最後は山に向かって息も荒く登って逃げて行きました。
麓に降りて悪さして、鍋になんかされるなよー!

この日、大成で動物を見たのは四度目でした。
まず、道沿いでキジ。
続いて、集落に着いた途端、路肩の溝へ逃げ込むタヌキと遭遇。
帰りの林道でヘビ。
そしてイノシシの四度。
動物たちに逢えただけで、大成はさすが、秘境と自称するだけのものがありました。
大成神宮といい、初瀬の大桂といい、僕にはワンダーランドでした。

黒森峠を越えたのが夕方5時前。
秋の陽は容赦なく暮れてゆき、森はどんどん薄暗く、終いには山の上にまん丸お月さんが昇りました。
街に戻ったのは、夜が夕焼けに勝ちを収めるほんの少し前でした。

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