岩黒山・筒上山
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関門~石鎚スカイライン~土小屋
距離 約18.1km
標高差 約860m
国道・県道
一般道
林道
徒歩
下記写真の場所
見晴らしあり

面河渓、石鎚スカイラインの入口、関門から。
石鎚の標高1982mと同じ1982年に作られた大鳥居が目印。

有料だった時代の名残のゲートをくぐって石鎚スカイラインへ。
スカイラインは夜間、閉鎖されますので、ご注意下さい。
目安として日没すぎると帰れない恐れがあります。

石鎚スカイラインの通行可能時間

期間 通行可能期間 備考
4月1日から4月28日まで 7時から18時まで  
4月29日から5月31日まで 7時から19時まで
6月1日から6月30日まで 7時から20時まで  
7月1日から7月10日まで 4時から20時まで お山開き
7月11日から8月31日まで 7時から20時まで  
9月1日から11月30日まで 7時から18時まで  
12月1日から3月31日まで 冬季閉鎖期間  


当日は朝から猛暑。
暑い街を脱出、三坂を越えると、夏着では肌寒いほど涼やか。
高原と名が付くだけのことはある久万高原町でした。
でも、更に気温は下がり続け、関門でウインドブレイカーを上に羽織りました。
気温が上がらなかったのはお天気のせいでした。
家を出た時は良かった空も、石鎚に近付くほど、雲がもこもこ、増えてゆきました。
雲間からやっと顔を覗かせた石鎚山に不安を感じ、
予定を変更しようかと悩みつつ、スクーターを走らせました。



  

関門から3.5kmほどのところで見つけた新しめの看板。
愛媛の古代史に時折出てくる「伊予之二名島」の文字。

伊予之二名島 古事の森

 我が国は、豊かな森林資源に恵まれ、古来より森林、木材との深い関わりを持ち、現在に至るまで様々を面で、森林との共生や森林の持つ循環の働きを踏まえた我が国独自の「木の文化」を育んできました。
 また、日本各地には「木の文化」の象徴とも言うべき木造文化財など、次世代に引き継ぐべき伝統文化が多く残っています。
 しかし、経済の進展.国氏生活の多様化等に伴い、人と森との関わりが薄れるなど社会の変化の中で、技能の伝承を基盤とした伝統的木造建造物等を維持することも次第に難しくなってきています。
 「木の文化」の象徴でもある伝統的木造建造物を将来にわたって維持・継承していくためには、地域社会が主体となった取組など、国民の幅広い理解と協力、参加を得ることが重要です。
 特に、伝統的木造建造物の定期的な修復に必要な資材を安定的に供給するための森づくりや、建造物の保全に果たしてきた森林の役割について、広く国民に理解されることが重要です。
 伊予之二名島古事の森育成協議会では、重要文化財指定の松山城、道後温泉本館をはじめ松山市に現存する仏統的木造建造物の修理、修復に必要となる六径長尺材の確保のための森づくり活動を推進するとともに、伝統的木造建造物と森材との関わりへの理解を醸成するための森林環境教育に取り組みます。

平成19年10月21日

伊予之二名島古事の森育成協議会
四国森林管理局・愛媛森林管理局

※古事記(712年)では、四国のことを「伊予之二名島」と言います。

看板のある谷に分け入る小径の入口には、
「伊予之二名島 古事の森」と書かれたゲート。
チェーンで閉鎖されていました。
この奥に、松山城を修理できそうな巨木が育ってるのかな。



スカイラインならではの“動物注意”標識。
実際、この標識のすぐ近くでおサルさんたちに出会ったことがありました。
くれぐれも、優しい運転、お願いします。
僕のお疲れスクーターは、8%や11%もの勾配が続くスカイラインでは、
まったくスピードが出ませんでした (>_<)



「長尾根展望所」に寄り道(関門から12km、土小屋まで残り6km)。
長尾根とは、目指す岩黒山と筒上山の間、丸滝小屋付近から派生し、面河川へ下る長い尾根です。
石鎚スカイライン開通以前は、「長尾線」という登山道が尾根伝いに走っていました。
面河から川沿いに歩いた後、長尾線で岩黒山・筒上山、
そして土小屋を目指す登山者や山岳信仰の信者らがたくさんいました。
昭和28年(1953)に開催された四国国体では、
登山競技のコースになり、“国体コース長尾線”とも呼ばれていました。
石鎚スカイラインによって長尾線は寸断され、
車で土小屋まで上がるのが一般的となってからはすっかり廃れてしまいました。

  

天気を気にしながら上ってきましたが、
雲がまだまだ多いものの、青空が覗いてきました。

  

北正面には、尖ったピラミダルな姿に見える石鎚山。
夏、暖かい空気は険しい石鎚山系の山並みにぶつかり、雲を発達させます。
石鎚山はまるで雲の工場みたいです。

駐車場の端に建つ看板。

  

ここから見える御来光の滝の案内。

  

四国山地の森林について。

  

御来光の滝を見るための双眼鏡が設置してあります。

御来光の滝をアップ。
最近は滝を訪ねる人も少ないので、道も荒れ気味だとか。

駐車場の入口の脇、看板がたくさん立ってるところに階段があります。

とことこ登ると、夏草茂る中に-

  

だいぶ古い、「面河自然休養林案内図」がありました。

案内図の左に「長尾線」の入口があります。
長尾線は歩く人もなく、色褪せた赤テープだけが頼りです

案内図の向かいには東屋が夏草に埋もれていました。

長尾根展望所の展望所とはこの東屋のこと。
忘れ去られたかのようにひっそりと。

いまでは周囲の立木が生長しまくり、
石鎚がわずかに展望できるのみ。
また一つ、自然に埋もれた昭和の展望台に出会いました。



標高が上がると“動物注意”は、イノシシ印の標識に変わります。
イノシシにはまだ出会ったことがないけど、いるのかなぁ?
標識の下の数字、“16.2”は関門からの距離を表していて、
道端にたくさん設置されています。
道の正面に岩黒山が現れてもいい距離なのですが、
東の空が曇ってるせいで雲に隠れて見えませんでした。
これから登るのにぃ~。



  

土小屋に到着。
さすが夏休み。
ロータリー手前の駐車場も石鎚目当ての登山者の車で埋まっていました。
岩黒山・筒上山の登山口は、
駐車場の右側、写真右の青い標識のところにあります。

ロータリーにある土小屋エンブレム。
土小屋の標高1492mは、“イヨノクニ”と覚えましょう。

  

土小屋は石鎚山裏参道の拠点です。
旅の拠点は、岩黒山側に建つ白石ロッジさん、
上の建物が宿泊施設、道路に面した下の建物が売店、食堂になっています。
下山後、自販機で冷えたコーラを買って、
がんばった自分にぷちごほうび(山料金ですが)したり。

石鎚山には登りませんが、いままでの無事を感謝し、
これからの無事をお願いしに、石鎚神社の土小屋遥拝殿へお詣り。
神社右の小屋は公衆トイレです。

狛犬コレクション、吽と-

阿。

2礼2拍手1拝(礼)、合掌。

遥拝殿から見た岩黒山。
馬の背のような稜線を持つ岩黒山。
土小屋からだと尖って見えます。
東の方から湧き上がり、流れてきた雲がお山にどんどん体当たり。
駐車場からは、石鎚を目指す人たちが身仕度を調え、どんどんと旅立って行きました。

登山口そばの駐車場に戻って石鎚方面を見晴らしましたが、
石鎚もやはり、雲に覆われそうになっていました。

ひとりごと

猛暑の夏にくじけそうな日々。
頭の中に、渓谷の清流や風に踊る雲、キラキラ光る木洩れ日、爽快なお山のイメージが勝手に湧いてきます。
どうせ行くなら、なるべく高いお山がいい…。
少しでも涼しいところへ…。
そこで、今回、選んだのが石鎚山のお隣のお山、岩黒山と筒上山でした。

夜明け頃に起きて支度をし、短パンにスポーツタイツという、山ガール的な軽装で家を出ました。
デジカメを忘れて家に取りに帰るハプニングがあったものの、道中は順調。
車の数がまだ少ない国道33号線をのそのそ上って行きました。
三坂を越えると、久万の谷は朝霧にすっぽり覆われていました。
久万の朝霧はとても濃く、太陽も見えないほどでした。
このままずっと曇り空なんじゃないかと心配になります。
でも、たいていの場合、久万の町から離れれば、嘘のように青空が戻って来ます。
石鎚方面だと旧面河村辺りまで行けば雲から抜け出せます。
日差しが無くなったせいもあって、久万は秋のようなヒンヤリとした朝を迎えていました。
寒いほどではなかったけど、肌寒寄りの涼しさでした。
朝まで熱帯夜の松山に比べたら、湿度も低いし、快適。
とは言え、目指す土小屋は標高1482m。
単純計算(100m上ると0.6度下がる)でも、松山市内より8~9度、気温が低い。
関門に着いた頃には、風にさらされっぱなしの上半身が冷えてしまったので、ウインドブレイカーを久しぶりに羽織りました。

総走行距離が6万キロを超えていい加減、走れなくなった僕のスクーター。
石鎚スカイラインの急坂では30km出たらいい方で、車ならあっという間の土小屋に1時間もかかりました。
傾斜8%くらいは普通で、11%なんて坂はあえぐようにしか上れません。
僕が肥え太ってしまったのも走れない原因のひとつだけど。

たくさんの車に追い抜かれながら、長尾根展望所で一休み。
上でも書きましたが、長尾根展望所は岩黒山・筒上山への旧登山道でした。
面河から土小屋へ行くにもこの尾根を登っていました。
石鎚スカイライン開通(昭和45年(1970))以前の、昭和34年(1959)に発行された『四国の山と谷』に掲載の地図では、
 
面河から長尾根、丸滝山を越えて岩黒山へ至る“国体コース長尾根(昭和28年)道”と描かれています。
石鎚スカイラインが長尾根を切断しました。
道の名残はあるので、ガードレールを跨いでササ藪を下り、面河川まで降りられます。
名勝・七釜や駐車場からも見える御来光の滝だって行くことができます(御来光の滝は素人には無理だけど)。
一方、丸滝山へ登る方は人気がないので、ササ藪が濃く、踏み跡は頼れません。
尾根を外さないように、誰かが残してくれた赤テープなどを頼りに歩くしかないそうです。
石鎚スカイラインができて人の流れも変わりましたが、自然もかなり変わったそうです。
でも、40年経ってようやく、受け入れられてきた感じもします。
昔を知らない僕にとってはいま見ている風景が当たり前なので、昔はよかった的な話はできません。
ただ、ロープウエーも石鎚スカイラインも瓶ヶ森林道もなかったら、観光気分じゃ登れなかっただろうなぁ。
面河コースで石鎚山に登った時はもうしんどくてしんどくて、半泣きで下山しました。
岩黒山も面河から長尾根経由でしか登れなかったら、登る気になったかどうか。
でも、確実に、いまよりずっと高嶺の花、あこがれ度は高かったでしょうね。

持ちうる文明の利器を最大限に活用して、疲れ知らずで土小屋到着。
車の周りで山支度している姿を見ていると、帰ってきたって感じがする土小屋です。
夏休み中だから子供連れの登山者もちらほら。
僕も身仕度を調え、石鎚神社土小屋遥拝殿にご挨拶し、白石ロッジ横の登山口へ向かいました。
僕が仕度してる間にも二組ほどが登って行きました。
石鎚ほどメジャーではないけれど、それなりに人気があるのですよ。

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