へ行こう!
早朝の面河ダム湖からスタート。
水面が鏡のように静まりかえったダム湖。
堂ヶ森~二ノ森の縦走はとても時間がかかります。
梅ヶ市登山口には早朝に着かないと。
「←梅ヶ市」の案内を過ぎたところに-
梅ヶ市へ入る丁字路があります。
①国道の丁字路から梅ヶ市の集落を抜け、
約1.2kmで梅ヶ市登山口です。
標高はすでに約750mもあります。
以前は利用できた道路左側の駐車スペースは、
鎖等で塞がれ、駐車不可になってました。
道路右側(写真中央)のスペースもバリケードが…。
一部登山客のマナーの悪さのせい?
訪問時は、林道も奥で工事が行われていたため、
一般車両は進入禁止でした。
山仕事の人に迷惑をかけないよう、駐車しましょう。
「二ノ森→ 約5時間」
「堂ヶ森へ→ 4068m 約3時間」
書かれている時間、距離は片道です。
登山計画書のポストもあります。
登山計画書の書き方や書式のダウンロードは、
当方のこちらを参考に。
準備が整ったらスタートです。
しばらくは林道を歩きます。
撮影当日は6月中旬。
道ばたに沢山の野イチゴが実ってました。
ヘトヘトで下山時に食べたら、めっちゃ美味しかったぁ。
このかわいい花はなんだろう?
②登山口から約750mで新道登り口。
林道の奥にある古くから利用されていた旧登山道は、
自然災害により一部崩落。
現在は廃道状態です。
「←堂ヶ森へ 3325m 2時間40分
登山口へ 743m 20分→」
しばらく、植林帯を登ります。
③谷に入って沢沿いを歩いていたら倒木に邪魔されました。
道の右側の沢は水量は多くありませんでしたが、
冷たい水が流れていました。
ちなみに、この沢を離れると当分、水場はありません。
一応、堂ヶ森の愛大小屋付近に水が湧いてますが、
夏の渇水期は枯れる恐れがあります。
夏は特に、水は余るほど持って行きましょう。
(沢の水の飲用は自己責任で。)
やがて道は左折し、沢と別れます。
そして、いよいよ、登りっぱなしの山道が始まります。
木立が混んだ植林帯の急斜面をジグザグと。
延々、2時間は登りっぱなしです。
最初の急坂は1.2kmほど続きます。
ここでバテるようでは、二ノ森には到底たどり着けません。
ゆっくり急がず、小股で歩きましょう。
④登山口から1.9km。
標高もいつしか1000mを越えて約1150m。
尾根の入口みたく、こんもり盛り上がった場所を登ったら-
急傾斜が終わり、穏やかな緩斜面に変わりました。
ホッと一息。
周囲を見渡す余裕もできました。
下草もなく、風がよく通る尾根を歩きます。
急斜面では風通しも悪かったので、
吹き抜ける風に心も安らぎます。
緩斜面になり、歩きやすくはなりました。
でも、まだ1km、この森からは抜け出せません。
辺りを見渡しても木に遮られて何も見えません。
急に風通しが良くなったり、木漏れ日のまぶしさで、
時折、稜線が近いことを微かに感じられます。
かなり登ってきた実感も湧いてきます。
⑤登山口から2.9km、標高約1350m。
面河と丹原の境界尾根に登り着きました。
植林帯から広葉樹林へ、植生ががらっと変わります。
尾根に乗ったら、右(東)へ。
写真のひときわ大きなブナの根方には、
ブナの後ろへ下る踏み跡がありました。
相名峠経由青滝山方面の登山道でしょうか。
特に道標などありませんでした。
間違えやすい地形ではないのですが、
濃霧や夕暮れどきの下山時、
迷い込まないよう気をつけたい場所です。
境界尾根に着いてもまだまだ登り。
いつの間にか、真上から落ちてくる木漏れ日。
森を抜ける前にお昼になっちゃうよう~。
ブナの森は空気がみずみずしくて美味しい。
妖怪・ひとつ目緑小僧に遭遇! (>_<)
⑥登山口から3.2km、標高約1430m。
不意に森が途切れ、頭上に青空が戻ってきました。
ササ原にまぎれるアザミのチクチク攻撃。
イライラしつつ、空に向かって登ると-
木漏れ日の登山道が唐突に、
パノラマ・ロードに大変化しました!
これまでの苦労が一瞬で報われる大転換です。
振り返れば、青滝山から石墨山へと連なっていく皿ヶ嶺連峰、
その肩越しに松山市街も青く霞んで見えました。
登山道の彼方には、ついに姿を現した堂ヶ森。
目印の反射板も大きく見えます。
⑦標高点1468m付近。
瓶ヶ森の氷見二千石原にも引けをとらない、
堂ヶ森の広大なササ原についに足を踏み入れます。
瀬戸内から太平洋へ、太平洋から瀬戸内へ、
四国の屋根を越えて吹く風を感じながら歩きます。
左(北)には東三方ヶ森など高縄山系の山々、
右(南)には四国カルストまで見通せる、
2時間かけて歩いてきた甲斐のある大展望。
その真っ只中に登山道は、まるで空に向かうかのように続いています。
大パノラマが拡がるのは、視界をさえぎる木がないからです。
でもこれは同時に、直射日光を避けられる木陰もまったくない、と云うことです。
降り注ぐ太陽の熱線は脳天を直撃。
発汗と蒸発で体中の水分がどんどん失われてゆくのを感じました。
日陰で一休み、ができない道なので、熱中症などで行動不能に陥らないよう、
こまめに水分やミネラル、栄養の摂取を怠らないように気をつけましょう。
「のどが渇いた…」と思ったときには、すでに遅いくらいです。
のどが渇いたと思う前にちびちび補給しましょう。
故に、水はたくさん持っていった方が有利です。
⑧1468mピークから少し下ったところで出会った道標。
「堂ヶ森へ ← 959m/約50分
登山口へ → 3109m/約1時間30分」
ここは梅ヶ市からの旧登山道の合流点だった場所です。
旧道は廃道状態なので、合流分岐道点っぽくはないのですが、
少し離れたところからこの場所を振り返り見ると-
旧道の踏み跡ががうっすらと残ってました。
写真中央から上に伸びるのが新道。
左の林に消える線が旧道です。
旧道は通行不可なので、帰りに迷い込まないように。
⑨登山口から3.5km、標高約1480m。
左から来た保井野ルートと合流しました。
「←二ノ森 梅ヶ市→ 保井野↓
←頂上まで700m 合流地点」
保井野からの道。
写真奥の青く霞んで見えるのは丹原の山並み。
保井野のバス停にはバスがそれなりに来るので、
保井野ルートは利用者も多いです。
振り返ると、朝、通った面河ダムの湖面が見えました。
前を向けば、まだまだ続く登り坂…。
結構、歩いたつもりなのに、山頂の反射板がちっとも近くならない。
登山道前半の急坂登りの疲れも表面化してきて、
足も上がらなきゃ、ペースも上がりません。
足取りは重いけど、イヤでも視界に入り込む大パノラマに心が軽く躍ります。
この大展望がなかったらバテ負けして引き返してたかも (^^;)
正直、堂ヶ森に着くだいぶ前にくたびれてましたから。
⑩登山口から4km、標高約1615m。
深く浸食した涸れ沢で登山道が分断されてました。
斜面は蟻地獄みたく、ざらざらと崩れます。
足下注意で渡ります。
登山口から2時間40分もかかって、ようやく-
⑪標高約1675m、堂ヶ森の南の肩に到着しました!
尾根に出ると正面に今度は鞍瀬ノ頭が顔を出しました。
でも、二ノ森はあの山の向こう側。
まだまだ見えません。
肩からのパノラマです。
(写真左から)反射板を載せた堂ヶ森山頂、西ノ冠岳、石鎚山の弥山、その手前にどんとそびえるのが鞍瀬ノ頭。
肩の白骨林をはさんで、さっきからずっと右に見えてた四国カルスト公園内の山々、面河ダム、そして石墨山など皿ヶ嶺連峰。