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自然は気まぐれで、無慈悲です。
個人の登山経験などお構いなし、手加減なんかしてくれません。
これからお山歩を始めたい方、軽登山向きのアドバイスとなります。
上級アドバイスはできませんけど、生きて還ることの基本は一緒です。

 アイコンや赤い文字にマウスを重ねるとヒントや補足情報が表示されます。

行き先を知らせておきましょう

もしもの時、あなたを探してくれるのは家族友人会社の同僚山仲間です。
家族が出してくれた捜索願いのおかげで九死に一生を得た人、たくさんいます。
生きてる間に見つけてもらうためには「行き先」と、そして、通報が遅れないよう「帰る日時」の、
最低でもこのふたつは必ず知らせておきましょう。(一番役に立つのは登山届けだけどね!)。
一人暮らしの人も、「▲▲山、○日○時帰宅」くらいは書いたメモを自宅や会社のデスクなどに置いておきましょう。



携帯電話でSOSもできるけど、山では通話不能になること多し。


山選び

日本中というか、私たちのまわりは山だらけです。
山は平地の延長、道さえあれば大抵は登れちゃいます。
その道を見つけるまでが一番大変かもしれませんが。



自分に合った山、ムリのない山を選ぶこと、そこが一番大事な基本です。
「○○山に行きたい!」と目的の山が決まってる人は、ガイドブックや、インターネット上のガイド情報や山行記録を探してみましょう。
「どこかいいところ…」と行き先が決まっていない人は、『○○県の山』みたいな地元の山山を紹介してるガイドブックが役に立つでしょう。
ガイドブックには、詳細なルート紹介、難易度、コースタイム、見所や立ち寄り情報も載っています。



高さには標高高度差があります。
例えば、標高2000mの山でも、登山口が1700mにあったら、登山口から山頂までの高度差は300mとなります。
2000mも登るのは自信なくても、登山口から300m登るだけなら気も楽に。
では、標高1500mで登山口が1300mにあるA山と、標高500mで登山口が100mにあるB山は、どちらが高度差が少ないでしょうか



そのほかの立地条件としては、
自宅からのアクセスのよさ、整備された登山道や道標、登山口から片道2時間以内で山頂を踏める、できれば登山者が多い、など


よく調べよう

人気の山でも、誰でもが登れるというわけではありません。
山(またはルート)によって必要なもの(体力・技術・経験・装備・時間・お金…)があります。
ガイドブック、登山地図、インターネットなど、いろんな資料で自分が持ってるもので登れそうか、よく調べましょう。



団体ツアーに参加するときもよく調べましょう。
ツアー会社やガイド任せはダメ



急坂、難所、渡渉、水場、ガケ、分岐、ヤブ、迂回路、鎖場、積雪などのワードは要チェックです。



手描きの登山マップ(概念図)を作ってみましょう。
道のりをイメージしやすく、うろ覚えや他人まかせも避けられて、当日は道間違いにも気づきやすくなります。



お花畑の開花時期、土砂崩れによる通行止めや迂回路の有無などの最新情報はブログなど、インターネットが便利でしょう。



季節によっても山は大きく変化します。
冬は、深く積雪する北アルプスなどの高山では人を寄せ付けないほどに厳しいですが、街郊外の山はヤブも枯れてベストシーズン。
けれど、夏になれば、高山はベストシーズンを迎え、街郊外の山は暑くて草ボーボー、登りづらくなります。
ベストシーズンに臨みたいときは、ガイドブックの適期情報も参考に。


計画をきちんと立てる

日帰りでもきちんと計画を立てましょう。



1日の行動時間は8時間以内が原則です。
休憩、食事の時間などを差し引くと実質6、7時間ほど。
日帰りなら片道3時間ちょっとで行ける範囲となります。



行動時間はガイドブックや登山地図に載ってるコースタイムが参考になるでしょう。
参考資料がないときでも以下の方法でおおまかに求めることができます。

水平距離1キロにつき+15分100m登るごとに+20分100m下るごとに+15分
標高差100m、1キロ離れた場所への往復時間は、往きは 15分+20分=35分、帰りは 15分+15分=30分、合計 65分。
※個人差あります、傾斜、地形、天気の状態によって異なります。
※一般的に、1時間で登れる標高差は300~350m、下りの場合は400~500m。
※深雪や濃いヤブ、急坂などの悪条件下では、1時間かけても100m進めないことも普通にあります。


タイム・スケジュールには余裕を。
強行スケジュールにならないよう、焦らなくても遅れを取り戻せるための余裕です。
時間に追われると焦りや過労で判断ミスを招きやすく、遭難のもとです。



休憩は1時間に10分くらい。



午後3時をタイムリミットに。
下界じゃまだまだ明るいけど、山は夕暮れモード、山影は薄暗く、心細い時間になります。
日没を基準に組んではいけません。
午後3時には登山口に戻ってるか、山小屋泊まりなら移動完了してるように。



登山口へのアクセス時間も調べておきましょう。


テントや小屋泊を挟んだ山行は天候悪化で停滞を余儀なくされることもあるため、予備日があると安心です。
縦走など長距離移動する場合は、エスケープ・ルートも見つけておきましょう。



登山届けに書き込むとミスを発見しやすいです。
完了後はそのまま提出もできて一石二鳥です。


装備を整える

靴と寒くない服さえあれば、ひとまず、山へ行けますが、安全を考えると、最低限、揃えておきたい物があります。
登山靴ザック雨ガッパは三種神器と呼ばれています。
あと、地図、コンパス、食料(非常食・おやつ含む)、水、携帯電話、ヘッドライト軍手、速乾性の下着も必需品。
ストック(ダブル)、GPS、サポートタイツ、ライター、蚊取線香、赤ビニルテープポイズンリムーバー、折りたたみナイフを個人的に追加。
万が一のための野営具(ツェルトやサバイバルシート)、着替えや防寒具(ウインドブレイカー)も。
以上は日帰り登山向きの最低限の装備です。
2000mオーバーの高地、連泊縦走などではさらに揃えておきたいものがあります。
※ページ下にある共同・個人装備表を参考にして下さい。



初心者は、「遭難」の二文字が怖くてなんでも持って行こうとして重くなりがち。
中級者は、逆に安全に慣れて「軽量化」に凝ってしまい、身軽すぎることも。
いざというときに備えて疲れるほど荷物が重たくなっては本末転倒です。
身軽・軽量な方が有利には違いありませんが、もしものときに必要なものまで削っては意味がありません。
最低限の装備は守りつつ、プラスアルファの部分は、登山経験を積むことであなたなりの基本装備が決まってくるでしょう。



日帰りや街近郊の低山だからと軽装で出かけるのは避けましょう。
備えあれば憂い無し、です。



快適・安全な登山には服装選びはとても重要です。
基本的に、100m登るごとに気温は0.65度低下します(標準的な大気)。
○○アルプスと呼ばれるような高山では、登れば登るほど涼しく、寒くなるため、防寒機能が求められます。
逆に都市郊外にある低山では、市街地と気温差があまりないため、暑さ対策が重視されます。
真夏は熱中症、脱水症が怖い一方で、低体温症で死亡する事故が毎年発生しています。
体温調節・保護はアウター=ジャケットを脱ぎ着することによって行うのが簡単です。
体感温度を更に下げる風を避けるのにもアウターは有効です。
インナー=下着に求める機能は、汗の速乾機能で、湿った衣類は体温を奪い続け、運動能力の低下をもたらすほか、不快の元になります。
綿製品の下着は乾きが遅いので避けましょう。
全体的にはストレッチ素材で伸縮性のあるもの、重ね着しないでも保温性のあるもの、脱着のしやすいものを中心に。
スポーツタイツなど、関節の保護や疲労回復に効果がある衣類も活用すれば、なお快適になります。
必ずしも登山用品でなくてもOK、自宅にあるもので始めてもかまいません。
また、カラフルな色彩なら万が一の場合でもヘリから見つけてもらいやすいでしょうし、イノシシと間違われて猟師に撃たれる危険性もありません。
黒はスズメバチの攻撃色なので避けましょう。
帽子は暑さ対策のほか、スズメバチから黒髪を隠す効果も期待できます。


水と食料

水は登山中、汗で失われる水分の80%は最低、必要です。

脱水量(ミリリットル)=体重(キロ)×歩いた時間×5
体重60キロの人が5時間歩いた場合、1500ミリリットル(1.5リットル)。
必要な水はその80%、1.2リットル。
※ただし、夏は発汗、必要量、ともに増えますから、計算で求められる分量は最低限です。


食料は重要です、空腹での長時間行動は判断力を低下させます。
山でも必要なカロリーを摂らないと無事に帰宅できる保証はありません。

消費量(キロカロリー)=体重(キロ)×歩いた時間×5
体重60キロの人が5時間歩いた場合、消費量は1500キロカロリー。
※登山中は体脂肪や朝食摂取分から先に消費されるので、計算分の熱量はお弁当に必要な熱量ではありません。


アメやおやつなど、間食は山行中の低血糖や塩分・ミネラル喪失を補えるほか、万が一のときは非常食になります。



ダイエット目的の登山は危険 、食事制限は帰宅後に。



子供の栄養摂取には気を配りましょう。
子供が一日に必要な基本的なエネルギーは、乳児:700kcal 幼児:800kcal 小学生:1100kcal 。
これに登山中の運動消費量を足すと、2000~3000kcal は必要です。
また、エネルギーのストックが少ない分、すぐ空腹になります。
子供の3時間は大人の6時間ほどに相当 するので、朝昼晩の三食だけでは途中で「シャリバテ」に陥ることもあります。
おやつやジュースなど、間食でもエネルギーを補給してあげましょう。


体調を整える

普段からウォーキングや筋力トレーニングを。
ウォーキングは平地だと軽すぎて効果がないので、階段や坂道を組み込み、重りを背負うなどすれば効果が上がります。
富士登山や北アルプス縦走など、アップダウンが激しい山行が控えてる場合は、さらに負荷をアップ、体力と自信もつけましょう。



持病のある人は、医師にまず相談を。


そのほか

登山届の提出
・万が一のとき、生きている間に見つけてもらうための大切なものです。
・書式や書き方などの詳細は「登山計画書のダウンロード」をご覧下さい。
・数日前までに提出(郵送)するのが理想ですが、最低でも入山直前までに。
・提出先は目的の山を管轄している警察署。
・百名山や登山者の多い山は登山口に登山ポストがあるので、登山前の投函もできます。
・最近はインターネットで受け付けているところもあります。
・ちなみに、下山届けはいりません。



装備の再点検
・登山中に使えなかったということがないように日頃から点検しておきましょう。
・登山靴のソール(靴底)やザックのプラスチック部品、水筒のゴムパッキンなど。
 ポリウレタン、プラスチック、ゴム製品は加水分解や経年劣化します。
 ある日突然、折れたり、ぼろぼろに崩れたり、寿命を迎えますので要注意です。
・雨具やジャケットなどの防水・耐水・撥水機能。
・電気を使うもの(携帯電話、ヘッドライトやラジオ、GPSなど)のバッテリー・充電池の充電を忘れずに。
・ライトの点灯チェック。


早めの入山、早めの下山を

早めの入山、早めの下山を
早達早着(はやだちはやつき)が原則です。
山の天気は昼を境に下り坂、局地的な夕立もしばしば発生するので、天気が安定している午前中に行動しましょう。


心に迷いが生じたら強行しない

不安予感かも
普段と異なる状況に直面した脳がシグナルを発している状態です。
知らない土地へ行く不安も充分、考えられますが、以下のような、思い当たる節がある場合は山行の中止も検討しましょう。



体調が思わしくない
・風邪など発熱、呼吸器に異常がある状態は登山という運動に不向きな体です。
 体調に異常を感じたままの登山は危険ですからやめましょう。
・持病がある方は、気温、気圧の変化や運動の負荷によって悪化する場合がありますので、事前に医者に要相談。
・睡眠不足での登山も禁物です。
 深夜に移動し、寝不足のまま入山する弾丸登山はケガや遭難のもと、スタート時は例え元気でも、後半、必ず足を引っ張ります。
 登山口が家から遠いなど、アクセスが悪い場合は、なるべく前夜に移動し、宿に泊まるなどして睡眠時間を確保しましょう。
・団体行動の場合、ひとりの体調不良がパーティ全体の足を引っ張り、遭難に至ったケースも多いので、リーダーに正直に申告しましょう。



天候が気がかり。
出かける前の天気予報は必ずチェック。
今日明日の予報は勿論のこと、低気圧や寒冷前線など、天候を急変させる存在にも注意。
天気は主に西から変わるので、隣県の予報も見ておきましょう。
雨の予報を知りながら入山するのはやめましょう。
山は天気が急変しやすいので、朝の雨が嘘のように晴れることもあれば、快晴が一転して土砂降りに変わることも。




山と自分のレベルの差が大きいと感じる
現地に着いてみたら、資料になかった岩場の存在や想像よりも険しい道のりで不安になるときがあります。
多少のムリは登山技術・経験をアップするのに必要ですが、過度のジャンプアップはケガのもと。
距離や道程が不安なら、行動限界、タイムリミットを決めてみるのもいいでしょう。
限界を決めることによって、不安感が取り除けることがあります。
例えば、昼12時をタイムリミットに決めたら、12時まではがんばって移動、12時を1秒でも過ぎたら即刻、引き返す。
山頂が目前でも撤退します。



装備
最低限、必要なものを持たずに山に来るのは危険ですが、山に来てから忘れ物に気がつくときがないわけではありません。
山は臨機応変、少ない装備の中で工夫すれば乗り切れることもあります。
けれど、雪山でアイゼンがない、曇り空を前に雨具の持ち合わせがない状態は撤退も仕方ありません。



山は逃げません
不安が払拭できないときは山行を中止し、麓の温泉や美術館、観光施設めぐりにでも変更して、せっかくの外出、大いに楽しみましょう。
撤退=負けた、なんて思うのは人間だけ、山は逃げません、チャンスはいくらでもあります。



団体行動の場合
ガイドやリーダーに正直に話して不安を共有、判断を仰ぎましょう。


入山直前

準備体操、ストレッチを
足回りを重点に。
つまずく原因は足首の硬さにあります。



装備の再点検
靴紐の締め直しや上着を脱ぎ着で体温調節など。



登山口の確認
のっけから間違っていては問題外。



マイカーなどの駐車位置
人気のない林道でも、地元車や作業車が通行する可能性が多分にあります。
道の真ん中はもちろん、横を通り抜ける余地がない、歩道を塞ぐなど、人や車の通行を妨げる場所に駐車してはいけません。


登山中の注意事項

歩く速さは鼻歌を歌えるくらいの速さで
同行者と会話ができないほど、息が上がっているようでは呼吸数も心拍数もオーバーペースです。
一人なら鼻歌が口ずさめるくらいの速さが最適です。



歩幅は小股、すり足気味で
大股は筋肉疲労が勝り、長続きしませんし、下りはヒザを痛める原因です。



こまめな水分補給
「ノドが渇いた」と思ったときはすでに脱水状態、水を飲むタイミングが遅すぎです。
休憩中にまとめて飲むより、こまめに水分補給した方がトータルの摂取量も少なくて済みます。



休憩
歩き始めは30分に5分、体が慣れてきたら1時間に10分が目安。
長時間の休憩は体が冷えることで筋肉の疲労に繋がりやすいので、食事休憩以外は短く、なるべく体を動かしてリズムを保つように。



地図をすぐ確認するクセをつけよう
気がついたらしているのが道迷い。
道迷いを発端に重大事故に発展することが多いので、道迷いがもっとも発生する道の分岐点での地図の確認行為を徹底しましょう。
そのほか、尾根の分かれ目、上り坂が下り坂に変わる(またはその逆)、ピークからの下りなども間違えやすいポイントです。
まずは立ち止まり、地図と見比べ、よく確かめてから歩き出しましょう。
また、道の途中でも時々確認するクセを付けていると、もしもの場合でも深みにはまる前に引き返せます。
点在する赤テープなどの目印も過信せず、自己責任で。



曇り空の時に道迷いが多く発生
太陽が見えない、木洩れ日や影もない森の中では、多くの人が同じ場所をぐるぐると迷走するということが実験で証明されています。
人間は太陽の位置を無意識に認識し、方向を定めています。
太陽という絶対的な道標がない時はコンパスを頼りにし、なるべく遠くにある物体を目標にして歩けば、大きくずれる心配がありません。



「登り優先」は臨機応変に
狭い道では登りの登山者が優先、下り側は立ち止まって道を譲るという山ルールがありますが、必ずではありません。
安全にすれ違える道幅、安定した足場がある方が立ち止まって譲る方がスマートです。
道を譲る際は山側で待ちます。



早めの下山
日没を家や帰路にある立ち寄り湯で迎えるくらい、早めの下山を心がけましょう。   


自然保護

動物に危害を加えない。


エサを与えない、弁当の食べ残しは持ち帰る。
 高カロリーな人間の食べ物の味を覚えた動物が里山の畑などを荒らしています。


ケガした動物を見つけても連れ帰らない。
 可哀相でも野生動物は自然の掟にまかせましょう。
 迷子に見えるヒナも、人間を警戒して離れたところから親が見守っていることもあるので、放っておきましょう。


高山植物の無断採集・伐採、踏みつけ注意。
 深くえぐれた登山道を嫌い、路肩を歩いた時に小さな花を踏みつけてしまうことがあります。


山菜泥棒をしない。
 日本に誰のものでもない土地はありません。


歩きタバコ禁止、たき火は指定場所以外では行わない。


ゴミは必ず持ち帰る。


動物は臆病。
ヘビもイノシシも、自分の身を守るために襲ってきます。
音の鳴るものを持ち歩くなどして、人間がいることを早めに教えてあげれば、動物の方から身を引いてくれます。


迷ったら…

山は自己責任セルフレスキュー
タクシーを呼ぶような安易な感覚での救助要請は避けましょう。
まずは「迷った…」と思ったら、すぐに立ち止まること。
“下れば、いつか道に出るだろう…”と歩き続け、ガケや滝に行く手を阻まれ、身動きが取れなくなったケースが多いです。
そして、来た道を引き返すこと。
来た道が分からないなら登る下ってはいけません
見晴らしのいい尾根やピークに出れば、周囲の山並みと地図を見比べて現在地を把握することもできます。
携帯電話が通じる(SOSを発信できる)可能性も高まります。
登り返すのはしんどく、辛いですが、一晩、真っ暗闇の森でおびえて過ごすことに比べたらたいしたことありません。
また、「前は上手く行ったから」と似通った経験を引き合いに出しても、場所が違う以上、同じように上手く行く保証はありません。


夜間はむやみに歩き回らない
転落や転倒など、暗闇の中、歩いてもいいことはなにもありません。
よって、暗くなる前にビバーク=緊急的に野営(野宿)する場所を見つけ、体力を温存しましょう。
ビバーク場所は、水を確保できて、川の増水や落石などの危険がない、雨露がしのげる場所が最適です。
けれど、その場所を探しまわって迷走を深めては意味がありません。
野営の準備も時間がかかりますから、明るいうちに早めに切り上げましょう。



同行者と離れない
パーティの分裂が引き金となって全滅した例も多いです。
下山ルートが確実で、同行者がケガなどで身動きが取れず、急を要する場合を除き、全員で救助を待ちましょう。



救助ヘリから見える場所で待機



救助要請後はその場を動かない。
移動するものを見つけるのは至難の業です。
また、救助隊がすぐ来る保証はありません
天候如何では数日先になる場合もあるので、体力、食料の温存のためにも、無闇な移動は避けましょう。


ちなみに…

捜索費用について
税金で助けてもらえると思ったら大間違いです。
無料なのは警察や消防などが公務の場合のみです。
当然、人数に限りがありますから、広範囲の捜索になると民間の山岳救助隊や地元の消防団などを頼まなくてはなりません。
とある市では、1人1日につき、案内人が2万6千円以上、消防団員は1万2千円以上の日当が発生しました。
通常、夏山の場合、1人1日あたり3万円、冬山は5万円程度。
救助隊は15~20人編成で山に入ることが多いので、その費用は1日だけで45万~60万円にも上ります。
さらにヘリコプターの出動を要請すれば、その費用も加算されます。
県警のヘリコプターなど、自治体のものなら無料ですが、民間のヘリコプターをお願いした場合、1時間あたり約50万円必要です。
わずか2~3日間の捜索でも、数百万円必要な場合があります。


登山届け(登山計画書)
  • 登山計画書は、捜索場所目安となるものです。
  • 警察署あて、家族あての二通必要です。
    警察は登山届けを受理するだけです。
    救助要請できない登山者に代わり、捜索願いを出して命を救ってくれるのは家族(または友人・知人・会社の同僚など)です。
    家族がスケジュールを知らなければ通報の遅れが初動捜索の遅れとなり、命にかかわる結果を招きかねません。
    家族あての登山届けもぜひ、作っておきましょう。
    警察は下山の確認までは行っていません
    ※“下山届け”は必要ありません、“報せがないのが無事な報せ”ということです。
  • 提出先は原則として各山域を管轄する警察署(地域課)です。
    郵送のほか、長野県警などメールやインターネットで受け付けているところもあります。
    百名山など有名どころの主要な登山口には専用ポストがあります。
    登山口の最寄り駅や登山相談所・案内所、駐在所でも受け付けています。
    (早朝・深夜など、不在の場合は郵便受けなどに投函しておきましょう。)
  • 計画書の作成は事前にコースをしっかりと理解する助けにもなります。
  • 書式自由ですが、以下の項目は最低限、必要です。
    • 全員の氏名・年齢・住所・携帯電話番号・緊急連絡先(家族)の電話番号
    • 登山ルート(登山口、目的の山、経由する山、下山口)
    • 登山日数、入山予定日時、下山予定日時
    • 非常時の対策方法
    • 非常時の宿泊場所(山小屋など)、エスケープ・ルート
    • 計画変更時の緊急下山ルート
    • 食糧の数量 装備品リスト
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登山届け(登山計画書)のダウンロード
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登山届け(登山計画書)の必須事項
目的 個人山行、例会山行、各合宿、新人訓練、個人錬成など
登山方法 日帰り往復、日帰り縦走、小屋泊周回、小屋泊スキー縦走、テント定着、テント集中、テント放射、テント登攀など
目的の山域山名 ○○山域  ○岳~□岳 山域  △岳~◇岳
○○連峰 山域  ◇岳~□山
独立峰などの場合 ○○郡○○村 山域  ○○山など
現地連絡先 ○○ヒュッテ TEL xxxx-xx-xxxx ○○山荘 TEL xxxx-xx-xxxx
※入山地の山荘、登山の基地となる山小屋や通過する小屋名と電話番号を記入
任  務 山行チーフリーダー、サブリーダー、装備担当、食糧、会計、記録、医療、気象など。
なければ空欄で。
参加者の氏名、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号、緊急連絡先の氏名と電話。
行動予定 XX/XX ○○登山口(○:○○)○○小屋(○:○○)○岳(○:○○)○○岳山荘着(○:○○)
できるだけ詳細に。
行動予定の備考 悪天候や体調不良時に緊急下山するコース(エスケープルート)をあらかじめ設定して書いておきます。
食料 メンバー1人当たりの食料、何食分か。

基本装備(軽登山向き)
※山と渓谷社「山で死んではいけない」から
ウエア 日帰り 1泊 参考重量(g) 備考
長袖シャツ (270) 乾きが速く季節に応じた保温力のものを。綿製品は登山には不向き
半袖シャツ (200) 肌に直接着るTシャツなど。乾きやすく伸縮性の高いものがよい
ズボン (300) 楽に屈伸できるサイズが必要。化繊主体かウールの入ったものがよい
下着パンツ (50) ふだん使っているものでよいが、登山向きの化繊製品も出ている
靴下 (100) 中厚手ウールまたは化繊ソックス1枚が標準。なるべく良質のものを
防寒着 200~400 ウールやフリースのジャケット、ベスト、ソフトシェル製品など
雨具(レインウェア) 500~700 透湿性防水素材で上下セパレート型のレインスーツがよい
ウインドブレーカー 300 コンパクトで便利な防風・保温着。休憩中や行動中にサッとはおれる
帽子 80~150 春~夏は日よけ用、秋~冬はウールか化繊で耳までおおうものを
手袋/軍手 100 寒い季節には薄手か中厚手のウール手袋が重宝する
着替え(下着・ソックス) 150 ウェアを濡らしたときの非常用として用意。短いコースでは不要
歩行・行動用具
登山靴 (600~1200) 3~4時間以上のコースでは足首までカバーするしっかりしたものを
ストック/ステッキ 280 脚力の弱い人などの歩行を助ける。とくに下り、雪道、凍結路で効果的
ザック 600~1200 日帰りには20~30㍑、泊まりには30~40㍑程度でフィット感のよいもの
ザックカバー 150 雨天時に使用。激しい雨のときは浸水を防ぎきれないので注意
スタッフバッグ 装備の仕分けや防水に使うナイロン袋。完全防水生地のものが便利
ビニール袋 10 ゴミ入れ袋や、濡れ物、汚れ物などを入れるのに使う
200 雨があまり激しくないときや、林道・車道、町を歩くときなどに便利
水筒 50~200 1人1日1㍑が標準。真夏の登山や子ども連れのときは多めに
保温ポット(テルモス) 250 1人350~500cc。寒い季節は体を温められるので積極的に使いたい
ヘッドランプ 90~185 どんな短いコースでも必携。頭につけて両手が自由になるものがよい
予備電池 65 万一に備えて1セットを常備しておくとよい
ナイフ 25~100 修理やケガの手当てなど多目的に使う。小型のアーミーナイフが便利
コンパス 30 簡単なものでよい。本格的な読図にはプレート付きのタイプを使う
地図 100 登山・ハイキング用の地図か、国土地理院発行の2万5000分ノ1地形図
サングラス 30 日差しの強い高山、高原などで目を守る。とくに残雪のある山では必携
カメラ・付属品 200 一眼レフなど重くかさばるうえ付属品も多い。自分の体力と相談して
時計・高度計 60 時計は必携。高度(気圧)・温度・方位計測機能付きが役に立つ
手帳・筆記用具 50 筆記具は耐水性のものを。濡れても書ける手帳が市販されている
コース資料 30 ガイド本の必要ページなどをコピーして持参する
生活用具
ストーブ(コンロ) 100~500 ガスカートリッジ式がよい。必携ではないが山の楽しみが広がる用具
燃料 150~300 日帰りには100g入りのミニサイズでも充分。固形の簡易燃料もある
小型コッヘル 120~250 ストーブとセットで持つ。500cc程度のお湯が沸かせるものがよい
カップ 50~100 流水をすくって飲んだり、キズロを洗うときなどにも使う
ティッシュペーパー 50 トイレのほか食器ふきにも。まとまった量が必要ならロール紙が便利
タオル/バンダナ 30 ヘアバンド、ネッカチーフ、汗ふき、洗顔、包帯(三角巾)代わりに
洗面用具・お風呂セット 50~150 基本的に登山中は使わない用具。コンパクトになるように工夫する
修理・裁縫用具 50 小さなソーイングキットが売られている。テーピングテープも便利
防虫薬 50 低山や沢沿いのコースなどで蚊やブユの発生が予想されるときに
日焼け止め 50 一定の年齢以上の人には準必需品。炎症を防ぐため塗ったほうがよい
緊急対策用具
ツエルト/レスキューシート 100~400 ツエルトのほうが用途が広く応用がきく。非常に軽い製品が出ている
ライター/マッチ 40 非喫煙者は忘れがち。小物袋に100円ライターを1個入れておく
ファーストエイドキット 200~300 キズの手当てができる最少限の救急用品、医薬品をセットで
非常食 300~400 疲労困懲したときでも食べられるものを2~3品用意しておく
身分証明書 5 運転免許証、山岳保険加入者証、健康保険証など
健康保険証 O 5 コピーでも可。ファーストエイドキットのパックに入れておくとよい
携帯電話 150 緊急連絡に威力を発揮。登山中はバッテリーを温存するよう注意する
◎は常に必携、○は持っていくほうがよいが省略も可能、△はあれば便利なもの(コース状況によって考慮する)。
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