二ノ森~梅ヶ市登山口
距離 約7.4km
標高差 約1160m

帰路で見た風景です。

五代ノ別れから堂ヶ森を。

五代ノ別れから少し下って、堂ヶ森を。

最後の登りが堂ヶ森の肩への坂道。
運良く、雲が太陽を隠してくれたおかげで、
辛い登り返しもなんとか耐えることができました。

肩からの主稜線の下り。

鞍瀬ノ頭方面を最後に振り返って。

植林帯にて。
ビロードのようなコケ。

夏には夏のキノコ。

ひとりごと

帰路でとんでもないことが起きました。
リュックに大穴を開けてしまいました。
原因は、リュックの背中にぶら下げていた蚊取り線香の携帯ケースです

二ノ森山頂では羽虫がいっぱいたかってきました。
蚊取線香に火を着け、追い払うことにしました。
携帯ケースの底、網皿との間の1センチほどの隙間に、予備の蚊取り線香を常備しています。
一巻き取りだし、火を付けました。
たくさん煙が出るように、渦巻きの外側と中心の端っこ2ヵ所に火を付けました。
2枚構造の網皿の間に線香を挟み、外ぶたを取り付けたらセット完了。
リュック上部の取っ手にカラビナでぶら下げるのがいつものスタイルでした。
背後で蚊取り線香はいい感じで煙をあげ、虫を追っ払い始めました。

あんなにしんどかったササ原も下り坂なら順調です。
堂ヶ森を通過するまで、しばらくは何事もなく過ぎて行きました。
異変に気がついたのは、そろそろ、森へと下る寸前でした。
向かい風を受けながら下っていたので、背中から異様に大量に出ていた煙にまったく気がついていませんでした。
道がカーブし、やがて風が横から当たるようになりました。

あれ!? なんか、ビニールが焦げるような臭い匂いが…。

慌てて、背中のリュックを下ろしました。
蚊取り線香の携帯ケースから、もくもくと煙が上がっていました。
煙越しに赤い火も見えています。
手袋越しにでも分かるほど、熱くなったケースをリュックの背中からずらすと、

ケースと同じ大きさの穴が空いていました。

ガ~~~~~ン、やっちまった…。

線香の火が、網皿の網目越しに、底に入れてあった予備の線香に引火したのです。
火は次々に予備の線香に燃え移りました。
まるで火だるまになった線香は、炭火をおこしたような状態に。
鉄製のケースも加熱され、リュックの外装は化学繊維な素材ですから、あっさり溶けました。
直径12、3センチの丸い穴が開きました。
穴が空いたのは外装だけでなく、内ポケットも溶かしました。
内ポケットにあったトイレットペーパーも焦げてました。
内ポケットには100円ライターも入っていましたが、そっちは無事でした。
でも、もう少し発見が遅かったら、ライターは確実に引火、爆発していたでしょう。
もしそんなことになっていたら、おそらく、全身火だるまになっていたことでしょう。
怖い…。
いや、多分、それだけでは済まなかったでしょう。
ササ原にも飛び火していたのは間違いありません。
お山歩した頃は、雨もしばらく降っていませんでした。
ササ原はカラカラに乾いていました。
谷から登ってくる風もいい勢いで吹いていました。
一旦、ササ原に火が付けば、堂ヶ森山頂を焼き尽くすまで、火の勢いは止まらなかったでしょう。
どれほどの山火事になっていたか、分かりません。

でも、そのときは、愛用のリュックに大穴が開いてしまったことだけが、ただただショックでした。
山火事になったかも知れないことに思いが及んだのは、急坂の登山道をいい加減下ってからでした。

この一件以降、携帯ケースの底に予備の線香を入れるのはやめました。
便利で良かったんだけどね。
石綿のシートとか、引火の心配がないもので引火を防ぐ手も合ったけどね。

お山ではいろんな「まさか」がよくあります。
今回は無事に下山できて幸運でした。
みなさんも、「まさか」には、くれぐれもご注意を。

国道494号線の黒森峠にて。

     
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