久万の岩屋山
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岩屋寺へ
距離 約800m
標高差 約150m
国道・県道
徒歩
下記写真の場所

国道33号線久万町。
伊予鉄久万営業所のある丁字路を左折し-

県道12号西条久万線へ。
大宝寺や久万美術館の入口のある坂道を東へ。



つづら折りカーブの先にある峠御堂トンネル。

  

道路の左にある観光案内板。
もー色褪せてきました。

  

道路の右側には大宝寺へ下る歩き遍路道。

トンネルはお遍路さんも歩くけど、歩道が無く、道幅も狭いです。
入口には反射材のたすきや、
歩行者の存在を知らせるボタンが設置されてます。
お遍路さんが多いからこその、優しいトンネルなのでした。
内部の壁面照明もずっと点灯しています。



峠を越え下った所にある河合地区の信号交差点。
左折すれば上林峠・皿ヶ嶺。

昔、この辺りには遍路宿が建ち並んでいました。
岩屋寺は打ち戻る(Uターンする)形でお参りするので、
この辺りの宿に荷物を預けて身軽で岩屋寺を往復するお遍路さんが多かったそうです。



  

高原ゴルフ倶楽部入口の手前のカーブにある、遍路道入口。
訪問当日は平日でしたけど、歩き遍路さんが数人歩いて行かれました。

「←八丁坂1.9km バス停畑野川 ふるさと村→」



突如、目の前に岩峰・千窟岳が出現。
国指定記念物「古岩屋」です。
道路脇には歩道も整備されています。

礫岩でできた峰はスポンジのように大小さまざまな穴だらけ。
大きいものでは車が入るほどのものも。
遠い昔に堆積した岩がすっぽりと抜け落ちた跡です。

カーブの右には不動岳やせり割りなど、
古岩屋の奇岩を散策できる遊歩道の入口があります。
そして-

お遍路さんの宿泊も多い国民宿舎「古岩屋荘」があります。
日帰り入浴もOKな温泉があります。
春はツツジ、秋は紅葉が美しい古岩屋の中心地です。
写真左にも荒々しい岩峰の尖塔が林立しています。

「四国カルスト県立自然公園 名勝 古岩屋」

  

四国のみち案内図。





7.5km
←→





←→
0.8km

45



←→
2.0km





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0.6km







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1.9km












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0.5km




←→
1.7km


宿




←→
1.0km

この近辺だけ抜粋しました。

  

古岩屋生活環境保全林の概要

 古岩屋生活環境保全林は、久万町の中心部から南東へ約8km・標高400から900mにわたる山岳地にあり、日本三大カルストに数えられる四国カルスト県立自然公園の一角を占めています。
 ここには、美しい新緑・鮮やかな紅葉・清らかな水のながれる渓谷をはじめ、石鎚山を一望する山頂付近には、クヌギ・ナラ等の落葉広葉樹林帯が広がり、さらに、国指定の名勝地「古岩屋」には、高さ30から40mにも達する円錐状の奇岩(第三期層礫岩峰)が数十基もそそり立っています。
 この豊かな森林資源を生かした保全林を、四季折々に変化する自然と楽しくふれあう憩いの場として、散策してみませんか。

●事業名:生活環境保全林整備事業(林野庁管轄)
●事業主体:愛媛県
●施行地:上浮穴郡久万町大字直瀬 古岩屋
●施行面積:60ヘクタール

県道すぐそばにそびえるのは大師岳。

  

国指定名勝・県立自然公園・生活環境保全林 古岩屋案内

1.

この礫岩峰は、どうしてできたか。
 直瀬川の両岸とその支流に礫岩峰が林立する一帯が古岩屋ですが、岩屋の地名は岩峰にできた岩窟によるものとされている。
 岩峰をつくる礫岩層は、始新統久万層群二名で、礫岩の礫は塩基性(線色)片岩・泥質(黒色)片岩、珪質片岩などの三波川変成岩類に由来するもので大小様々な角礫~亜角礫より構成されている。
このような礫岩内部の様子から、礫岩の堆積した時代(約4000万年前)には、古岩屋一帯に北東方面からの大河があり、扇状地をつくっていたと考えられている。
この礫岩層が浸食されて現在の岩峰や逼割が形成された。

2.

礫岩の数、高さ、面積
 古岩屋は、標高500mで約20個の礫岩がありその面積は60haとなっている。
高いものは100mを超え、連結して渓谷を形成し特異な景観をつくりだしている。
しかし、独立した岩峰は4峰で他は逼割と呼ばれる割れ目によって分離した形となっており谷に沿う断崖絶壁となっているのが特徴である。

3.

豊富な動植物
 岩はだにはイワヒバ・セキコクなどの着生植物、渓谷にはイワヤシダ、イヨグジャグなど、樹木にはカエデ類、山ツパキ、カシ、クロモジ、シロモジ、ホウノキ、トチノキなどが多い。
 鳥獣類では、外敵を防ぐに都合のよい岩窟が巣づくりに適するため(四季を通じ小鳥が多くウグイス、シジュウガラ、カケス、ミソサザイ、アメケラ、キジバト、ワクロウ、キジ山鳥、タヌキなどが多く、岩窟にはコウモリが生息している。

4.

四国霊場との関連
 四国霊場44番菅生山大宝寺、45番海岸山岩屋寺の往復路であり、この地域一帯が旧くから大宝寺奥の院としての岩屋寺と結ぶ霊地として、修験者、巡拝者の修行の場となっており通夜堂や大師堂、寺守堂などが建っていた。
 昭和19年国指定の名勝となり、39年四国カルスト県立自然公園の指定、63年生活環境保全林としての指定を受け、景勝地として整備が進んでいる。



国民宿舎古岩屋荘から約2km、直瀬川沿いに走り、
トンエルを抜けたら岩屋寺の麓、七鳥地区。
川の向こう側の森のずっと上に岩屋寺があります。

お寺の入口はここ、岩屋寺橋。
橋のたもとには「岩屋寺前」バス停があります。
バスやキャンピングカーはこの先、入れません。
(道の両側に建つ民家の屋根が当たるので)
普通車は民家の奥に二カ所ある駐車場(有料)までOK。

橋から歩いて登ります。

「←バス停 45番岩屋寺0.8km→」



右に有料駐車場を見送り、坂道をてくてくと。

  

「美川村観光案内」。
合併前、この辺りは美川村でした。

えひめ森林浴八十八カ所の杭。
岩屋・古岩屋は44番です。



  

さっきの駐車場の上にまた駐車場があります。
駐車場入口手前を右折し-

みやげもの屋が建ち並ぶ道を登ります。

大判焼き屋さんの前を通り抜け-

参道はいよいよ森の中へ入って行きます。
道はずっと舗装され、手すりも整備されています。
階段もあります。
坂が辛いお遍路さんも杖を頼りにゆっくりゆっくり登ります。



S字に道が巻いて、山門へ至ります。

足腰の弱い遍路さんがまず根を上げそうな階段です。

階段を登りきるとお大師さんがお出迎え。
写真左はミニ巡礼。
鳥のさえずりやお遍路さんが腰に付けた鈴の音だけがこだまする静かな森は、
杉の巨木が立ち並び、岩は苔むし、緑に目が潤い、心が少しずつ落ち着いてゆきます。



御手洗川という小沢にかかる極楽橋を渡ります。
石仏もいっぱい並んでます。

岩屋寺までもう少し。
ゆるやかな階段をえっちらおっちら登ると-

頭上に納経所が見えてきます。



お堂のある踊り場を曲がり-

更にもう一曲がりすれば-



岩屋寺境内に到着です。
境内は三段に分かれていて、まず、一番下の段には-

右に納経所があります。
せり立つ岩壁の真下に建っています。

左側に鐘楼やトイレが並んでいます。

こちらが鐘楼。

トイレは最近リニューアルしたみたい。

バイオトイレです。
富士山でも使ってる自然に優しいタイプです。

境内の二段目にあるのが-

穴禅定です。

中は真っ暗です。



境内の上段には大師堂と本堂があります。

右側にあるのが本堂です。
岩峰の真ん前に建っています。
本堂の奥の-

岩窟にハシゴがかけられています。
法華仙人堂跡です。

手すりがないただのハシゴです。
下る方が圧倒的に怖いです。

遊び半分で登るとバチが当たるぞー。
バチは当然…。

本堂の屋根と同じ高さにある法華仙人堂跡からの眺めです。
岩窟には小さな祠があるのみです。
時々、目の前の屋根からカチカチコロンって音が聞こえてきます。
礫岩でできた岩壁からはがれた小石が落ちてきてる音でした。
屋根の岩壁側には、
もっと大きな落石を防ぐための金網が張ってあったりします。

さて、降りて大師堂へ。

…ね。
降りる方が怖そうでしょ。
木が太すぎてしっかりつかむことができないのでした。

お遍路さんの読経が絶えない大師堂です。

大師堂の奥に多羅多門があります。
岩屋山、せり割行場、白山権現にはこの門をくぐって行きます。

ひとりごと

図書館で久しぶりに調べ物をしていました。
松山市立図書館のレファレンス室はコピーもできるので便利です。
登ったお山、まだ登ってないお山、城址とか、祠とか、あれこれ調べていました。
そんな時、手に取ったのが愛媛大学山岳会編「愛媛の山と渓谷」。
ぺらぺらとめくっていたら、この岩屋山が「古岩屋山と岩屋寺」として載っていました。
岩屋寺は子どもの頃、遠足で来て以来、大人になっても不思議と何度もお詣りしたことがあったお寺でした。
ぱらぱら、ページをめくる手を止めて読み込みました。

古岩屋山という名は、毎日新聞社が日本百景を選んだ際に、地元の人たちが山の部門に立候補した時に使った名前だそうです。
岩屋と古岩屋を合わせて「古岩屋山」として応募したそうです。
でも、古岩屋山は落選し、石鎚山が選ばれました。
ちなみに、渓谷部門で面河渓が選ばれてます。

僕にとって岩屋寺はとっても印象的なお寺です。
一度、岩屋寺に行っちゃうと、町中にあるお寺、石手寺なんかもまるっきりつまらないように思えてしまいます。
どこがそんなに好きなのかというと、まず、山道を歩いて延々登らないとたどり着けない不便な所。
インチキ参拝を許さない、お遍路さんみんなが辛い思いをしないとたどり着けない平等な所がいいですね。
夏は汗をいっぱいかいちゃうけど、そこはさすがに久万“高原”町。
境内に着いたら吹く風がそりゃ涼しくて、お大師さんに手を合わせてるうちに汗もなんだか乾いてく…。
その次に好きなのはロケーション。
山の上だし、なんたって、本堂や納経所の裏の穴だらけで凸凹した岩壁が迫力。
毎回、怖いよ~ってビビるくせに登ってしまう法華仙人堂跡の岩屋。
煙となんとかは高い所が好きってやつでしょうか。

そんな不思議な魅力に惹かれて数年に一度は行ってしまう岩屋寺なのでした。
(一方、手前の札所、大宝寺は生まれてこの方まだ1度しか行ったことがありません。)

そんな岩屋寺を山として見たことはこれまでありませんでした。

「愛媛の山と渓谷」を読んでいて、小学校の遠足で岩屋寺を訪れた時のことを思い出しました。
僕を含めた数人は男の先生に引率され、三十六童子巡りの奥にある、鎖の行場に挑み、険しい白山権現に登りました。
今時の先生じゃ、絶対に連れて行かないよーな危ない所です。
思えばあれ以来、なんどもお詣りしたけど、あの多羅多門の向こう側、せり割行場には一度も行ってない…。

もう一度、あの岩山に登ってみたい…。

そんなことを思った翌日にはもう、岩屋寺の境内を歩いていました。
やっぱり、何度来ても楽しい岩屋寺さん。
その日も巡礼バスが何台も来てて、お遍路さんがひっきりなしに山道を行き来してました。
ダブルストックに登山靴で登ると山道も楽。
お遍路さんを何人か追い越し、境内では、「その(足の)速さで登ってこられたの?」と感心されたりしました。

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