三ヶ森へ行こう!
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急坂~シャクナゲ尾根~山頂
距離 約710m
標高差 約200m
林道・農道・私道
徒歩
下記写真の場所
水場
見晴らしあり
注意・その他

この辺りで標高1200m弱です。
いよいよ急な尾根の直登が始めるわけですが、
写真で見ると急な感じが全然しませんねぇ。

縦に撮っても縦走路みたい…。
実際は腐葉土で靴がズル滑りするくらいの急坂です。
上を向いて歩いてると、終わりが見えない坂道にうんざりしそうで、
足元に気を付けながら下向いて歩いてたら-

スミレとか-

小銭くらいの大きさしかない花が目に止まりました。

春は足元からやってくるのかな。



この辺りは表土が流れ、下の岩が多数露頭しています。
時々、木につかまって登ったり、岩を避けてジグザグ進んだり。
50mくらい登ったけど(標高1250m)、まだまだ終わりが見えないなぁ。
こういう坂道は登りよりも下る方が面倒で、
かかとが抜けて尻もちついたりするので、ストック、大活躍です。


  

尾根から少し左にそれ始めてるので、
ちょっと傾いだ道標の前で右斜め方向に移動。

「←登山口 三ヶ森山頂へ→」

続けてまた尾根を登ります。
この辺りにも赤テープが頻繁に目印ってあるので、
安心、迷うことはありません。
とにかく、まっすぐ登れ、登れ、です。



急にうんとキツくなりました。
足元も崩れやすく、落ち葉が滑ります。
岩の角でヒザを打ち付けるとめっちゃ痛いので、
転けないよう、慎重に登ってたら-

ロープが1本、設置してありました。
つかんで登ると楽ですが、これは登り用と云うより、
足場がない下山時に有功です。

ちなみにロープはこんな木に結わえてありました。
急傾斜で土が流され、根も露わ。
木も必死に山にしがみついていました。
急斜面の雰囲気もお分かりいただけるかと存じます。



露わになってる木の根を階段代わりにして、
傷付けないように登ると-

  

標高1300m付近に現れる岩塊。
右の岩屋は人一人くらいなら、
しゃがんで避難できそうなくらいの大きさがあります。
道は岩塊の左側、まだまだ登ります。



畳半畳ほどの踊り場で一休み。
北向きに飛び出していて、木立の隙間から-

周桑平野がチラ見できました。
写真は小松の大頭以北辺りです。



標高1320mくらいでようやく、傾斜が落ち着きました。
シャクナゲの群生が覆っている「シャクナゲ尾根」の始まりです。

訪問当日は5月の初め。
どれも皆つぼみの状態。
はてさて、もう咲いたかな?

  

葉っぱが無い時期は枝のブラインド越しに、
遠くの山を遠望することができます。
ついに見えてきた石鎚連峰の山並みです。
堂ヶ森から視線をやや右下に転じると-

森に抱かれた集落が見えます。
保井野地区です。



  

更に登るともっと傾斜が落ち着いて、
尾根登りから縦走って感じに変わってきます。
右(南)側の森の一部が倒木したりしてふっと開けてるところがありました。

  

石鎚山も木に邪魔されることなく、姿を見せてくれました。
写真左から、三ヶ森山頂、石鎚山、西ノ冠岳、二ノ森、鞍瀬ノ頭、堂ヶ森。
そう、やっと三ヶ森山頂も見えてきました。

  

石鎚連峰をアップで。
残念ながら、当日は湿度が高く、
5キロしか離れていない石鎚連峰でも薄いモヤがかかった状態でした。
この日はGW中だったから、石鎚山は人だらけ、
堂ヶ森のササ原を歩いてた人もいたんでしょうね。
当然、こんなお天気だったから、見えなかったけど。

ちなみに、この場所、
木が倒れたせいで偶然できたビューポイントだけど、
ノコで切った跡が残ってる切り株もありました。
倒木を処理した跡だと思いたいけど、
カメラマンらによって人為的に拡げられた感も拭えません。

この後の登山道沿いにも、
ナタかなにかで枝を払った跡が見られます。
人助けとか言い訳して、
邪魔な木や枝を勝手に切るのは犯罪です。
邪魔なのは森の住人じゃない人間の方です。



小ピークに到着。

でも、すぐに下ります。

鞍部へ下る途中、奥に三ヶ森山頂。
稜線に乗ったからもう間もなくかと思ったのに、
まだまだ距離が残っています。



痩せ気味の細尾根をたどります。

初夏を過ぎれば緑のトンネルになるんでしょうね。
でも、新緑前の時期だったから右(南)の方を見ると-

  

下は保井野がある鞍瀬の谷、山並みは青滝山、本谷山、皿ヶ嶺連峰の石墨山から善神ヶ森。
右の稜線はいま登り歩いてきた尾根だけど、天気が良ければ尾根越しに松山市石手川以南も見えたと思います。

細かくアップダウンする狭い尾根を進むと-



  

もう一つの小ピークに到着。
左奥に真の山頂が見えてなかったら、山頂だと間違えて、
引き返しちゃうおっちょこちょいもいたり、いなかったり。
なので、「←三ヶ森山頂へ 登山口へ→」道標も完備。
東に向かって下ると-

正面に山頂。
まだ遠くて、登らないと行けないような気がするけど、歩き始めたらあっという間です。

やっと、最後の登りだぁ。



心地良い風に吹かれながら、
ちょこちょこ登っていたら-

車ぐらいの大きな岩の上に、
よっこらしょっと登ります。

岩はテラス状になっていて、見晴らし抜群でした。

  

さっきより空の蒼みは増えたけど、松山方面はよく見えませんでした。

この後、岩をもうひとつ、越えます。

そして、いよいよ-



シャクナゲの茂みの影から陽光降り注ぐ日なたへ出たら-

  

三ヶ森山頂に到着です!
山頂は8、9人が車座に座ったらいっぱいになるくらいの広さで、
中央には三角点が鎮座しています。
登山道は北側にあるので、
山頂に出ると南にある石鎚山が真正面です。
また、三ヶ森は鞍瀬ノ頭と尾根が繋がっていますが、
その南尾根へ下れる降り口も正面にあります。

  

逆に南側に立って見た山頂です。
お分かりの通り、シャクナゲ以上に背の高い木がありません。
視界を遮るものは無いけど、
夏は直射日光から逃げる場所がありません。
左の緑々した木がシャクナゲで、
登山道はその右にあります。
登山道から1mほど右に寄ったところに
反射板のピークへ下れる降り口があります。

「三ケ森」三等三角点。
標高は、1377.62mです。

本来は土の下にあるはずの下の部分が露わになっています。
この標石は明治33年9月5日に埋設されましたが、
長い年月の間に山頂の土がこれだけ流出しちゃったってことでしょう。
三角点と書かれた部分の下が60cmはあるので、
三角点自体の高さは明治からも大きく変動していないでしょう。
けれど、三ヶ森山頂の地べたの高さは確実に20cmは低くなっています。

北東側にある灌木になにかぶら下がっています。
島根の方が取りつけていかれたもののようで-

「捨てればゴミ 持ち帰れば自然保護」
自分のゴミを持ち帰るのは常識、
その前に、ゴミになるものを持って来ちゃダメ、
他人のゴミを拾ってこそ自然保護。
でも、この札もいつかゴミになる気も…。

北北東方向に巨大なパネルがふたつならんだピークがあります。
パネルは反射板で、ヨソ山や梅ヶ谷山にあるのと同じものです。
マイクロ波などを反射させ、遠隔地と通信するための施設です。
反射板のとこまでは道があります。

  

南側のパノラマです。
瓶ヶ森もぼんやり霞むくらいの透明度の低さが残念でしたが、
天気が良ければ寒風山や笹ヶ峰くらいは見通すことができます。
松山の街並みも見下ろしたかったなぁ。

  

またまた、石鎚山方面をアップ。
以前、梅ヶ市登山口から堂ヶ森・二ノ森を日帰りしたけど、
遠くてアップダウンもある、写真の稜線を歩きました。
めっちゃ疲れたのも納得の眺めです。

  

石墨山中心のアップ。

  

今度は北側の眺めですが、東三方ヶ森も見えないや、とほほ。

午後の日差しにシャクナゲの葉っぱもだらりんちょ。
満開の時に来たかったなぁ。

ひとりごと

植林帯で擦れ違った人が云ってた「急な登り」はホントに急でした。
休み休み登ったけど、疲れました。
地図を見ても、等高線の間隔が狭く、急なのは分かっていました。
大変なことが分かってるのに、自ら飛び込まずにいられない…。
登山が趣味の人間は、“M”っ気の血が多分にあるんでしょうか。

無風の植林帯と違い、尾根は風が吹いて気持ちが良いです。
春も過ぎた晴れの日に吹く風は心地好くて、お山歩の良き友達です。
GWの頃の下界は、街路樹も一通り、葉が茂り、新緑から緑濃くなる段階でした。
でも、三ヶ森上部の木々の芽吹きはこれから。
葉っぱがまだ生え始めたばかりなので、日光が地面まで届き、とっても明るかったです。
木木が茂れば、尾根の姿はまたがらっと変わってしまう。
緑のトンネルを登っていくような感じになる。
そして、風の通りもいまよりは悪くなっているでしょう。

見晴らせる尾根からは石鎚山が目に飛び込んできます。
お山を一生懸命歩いてるときに石鎚山が見えるときがあります。
すると、なんか、ご褒美をもらったような、変にうれしくなるのは僕だけでしょうか?
石鎚山というか西ノ冠岳の辺りの台形の姿がちょこっと見えただけでもうれしくて。
つい、カメラのレンズを向けてしまいます。
もし、ここが関東だったら、それは富士山になるんでしょうね。

急坂を登り詰め、小ピークの細尾根を歩いていたときのこと。
道の真ん中(というか、狭いので道いっぱい)にシート敷いて昼休憩してる人たちに出会いました。
山頂は木陰が全然ないためか、シャクナゲの木陰を休憩場所に選んだみたい。
お昼寝したり、コーヒー淹れたり、のんびりと。
羽虫がいっぱい飛んでて、最適ではなさそうだったけど。
ま、道を塞いでたので、正直、邪魔だったけど、すぐに気づいて、脇に避けてくれました。
僕は、お山であんまりのんびりしません。
ご飯食べて写真撮ったら、結構すぐに下山しちゃいます。
というのも、登山口までの交通手段がスクーターで、移動に時間がかかるからです。
誰かが運転するクルマで移動できるんなら、お昼寝だってしたいわ。

岩棚のテラスを越えたら、無人の山頂にすぐに着きました。
見晴らしは最高でした。
あれで、完ぺきな五月晴れだったら、云うこと無かったなぁ。
松山も丹原も霞んでよく見えなかった。
だいぶ、悔いが残ってしまいました。
パノラマ写真もイマイチですみません。
日本晴れの日にもう一度来たいなぁ!

北東に見えた反射板のピークは、距離にして600m、山頂から100mくらい低いところにあります。
前々日のお山歩の疲れと、急坂でこたえたのとの合わせ技で、体力的に余裕がありませんでした。
なので、反射板ピークには行きませんでした。
いつかこの山頂に帰ってきたときは、リベンジしてみたいなぁ。

あと、南尾根の方へ下る道もありました。
西麓にある横海地区から南尾根に向かって古い登山道があったりします。
健脚な人は鞍瀬ノ頭まで縦走する人もいるそうです。

あらかた写真を撮りまくり、山頂を後にしました。
滑る急坂を慎重に下るのは案外足にこたえました。

その後、植林帯へ戻る辺りで、登ってきた人と擦れ違いました。
それ以降は誰にも会いませんでした。
登山口にたどり着くと、お昼にあった車は一台もありませんでした。
あれ? 擦れ違った人の車は? どこから登って来たんだろう?

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