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楢原山・奈良原神社~古権現山
距離 約500m
標高差 約130m
距離 約600m
標高差 約70m
徒歩
下記写真の場所

古権現山へは経塚跡の後ろから、しばらくは下り勾配の尾根下りです。
この尾根筋は奈良原神社が奈良原講や修験者で賑わっていた頃、参道のひとつでした。
その名残か、道筋が明瞭で歩きやすく、往時の踏み跡をたどるお山歩です。



尾根に立つひときわ大きな兄弟木。
実は帰路で気がついたのですが-

あきらかに人の名前が表皮に深々と刻まれています。
沢田? 村上? いまは恥ずべき行為でも、ある世代の登山者らには記念行為のひとつなのでしょう。

南(正確には南西より)に向かって下る、その先に東三方ヶ森山系の稜線が見えていますが、実に遠く見えます。



夏なら緑のトンネル、なのでしょう。

*アスタリスクみたいな倒木の根。


急勾配を前に、ここからなら夏でも東三方ヶ森やこの尾根が繋がる中三方ヶ森が望めるかも。

東三方ヶ森方面をアップで。
気象条件次第で稜線越しに石鎚山も見通すことができたりします。

下り坂ですが、地形図にない小ピークもわずかにあります。




ここがそんな小ピークのひとつですが、ここで尾根は二手に分かれます。

正しい方角は向かって左斜め方向、南東よりに延びる尾根をたどります。


違う尾根へ下ってしまうと道迷い遭難もあり得ますから、特に下りの尾根歩きは慎重に。

目印はいろんな種類の境界杭。
ここから斜め左に向いて-

小ピークをトラバース、パスしてくのが近道。

冬枯れた森に春の色。
でも、このページを公開してる頃にはもう、
草も木も新緑ってるんだろうなぁ。

誰かが付けた赤テープに境界杭が正しい道を導いてくれます。
でも、“他人”を当てにしてるときが一番、失敗しやすく、
お山は下るときが一番、道迷いにハマりやすい場面なので、
常に現在地を把握しながら移動しましょう。



この杭の場所が奈良原山~古権現山間のもっとも低い場所、鞍部です。
標高は930mほど、奈良原山からは比高110mほど下ったことになります。
ここからは古権現山まで比高70mほど登って行きます。



登り切ると、また地図にない小ピーク。

わずかに下ると細長いゆるい登り尾根で-

また春の色、これってバイケイソウかな? だったら、毒草?

赤テープと杭にまた出会ったところで、なにげに右を見たら-

見下ろす角度で林道が見えました。

蒼社川源流沿いを走る木地奥線の支線みたい。

ちょっと急な坂を登ると-




また二手に尾根が分かれる小ピーク。
左斜め方向(東より)に延びる尾根に今度も乗り換えます、間違っても右(西)の方へ行かない(下らない)ように。

倒れてるこの杭が目印になりました。



かさかさの小ピークで、放置されたワイヤーを発見。

伐採した木を運び出すためのワイヤーでしょう。

ここからなにげに、目指す古権現山がやっと見えました。

ワイヤー巻き付いた丸太。

運び出しただろう方角の林が少し欠けてるようでした。

まだ尾根は分かりやすく歩きやすいです。



まだ少し離れて見える古権現山。
ここいらで尾根は右にカーブし、一度下る形で南に向かい、古権現山を目指します。

またあの草。

別の草、なんか、見たことがあるぞ…思い出せないけど (^^;)

木漏れ日の尾根道を軽く下り-



古権現山直前の鞍部。

さぁ、最後の登りです。
でも、目印のないルートですから、帰りのことも考えて、風景を覚えながら登りませう。



山頂に近づくほどに傾斜もきつくなりますが、ここまで来れば、なんのその。
と云いつつ、あ~しんど (^^;)



古権現山山頂に到着しました!
楢原山山頂にある奈良原神社は元々、この山頂にあったそうですが、広さ的にはこっち、古権現山の方が広いかな。

三角点はすぐ見つかりました。
境界杭のちょっと先-

「三角点を大切に」杭と紅白ポールも目印。
「龍岡上」三等三角点、標高は1003.40mです。

楢原山をバックに。

山頂の周囲は木立に囲まれているので、冬枯れたシーズン以外は外の景色は見えにくいでしょう。

中三方ヶ森へ繋がっていく尾根の方へ行くと、
地面に見過ごしそうなくらいの大きさの穴。

石積みでできた穴のように見えたんだけど、自然にできたものかなぁ。
古権現の名残、じゃあないだろうけど。

いつか、この尾根筋たどって
東三方ヶ森まで縦走してみたいなぁ。

北東側の隅でまたワイヤー発見。

ここからも伐り出してたのかな。

北東方向も遠くの山並みが少し見られました。

五葉が森から鴨鹿山にかけての稜線。

五葉が森。

鴨鹿山。

南を向けば、東温・今治・松山市境尾根・東三方ヶ森山系。

東三方ヶ森も少し、大きく見えたけど、あそこまでたどり着くにはアップダウンが最大の敵か…。



古権現山は地図に名前の載っていないお山です。
その名前は奈良原神社の由来に登場します。
山伏が楢原山に背負ってきた白山権現がもともとあった場所が古権現山です。
「権現山」とはお山そのものをご神体として信仰するお山を称するものですが、楢原山の前、白山権現がもともとあった場所ということで“古”権現山と云われたのでしょう。
ちなみに、「権現」とは、仏や菩薩が衆生を救うため、権【かり】の姿で現れることです。

古権現山の位置についてですが、玉川町文化財専門委員会出版「奈良原神社境内経塚の研究」に掲載の図版を参考にいたしました。

「1003米 古権現」の部分がそうです。
「前三方ヶ森 1232米」は、中三方ヶ森のことです。

前のページで楢原山の奈良原神社に修験者や山伏が籠もっていたというお話や、各地から大勢が参拝に訪れる参道が複数あったことを紹介しました。
福見山山上の福見寺から南三方ヶ森(白潰)を経て奈良原神社を参拝した人もあったようです。
重信川源流域から市境尾根に登り越えて奈良原神社を目指した人も少なくなかったようです。
そして、古権現山から奈良原山の間はもとより、東三方ヶ森山系の稜線上を縦走して楢原山に至る修験の道が存在していました。
スタートは丹原の西山興隆寺で、山中に分け入り、尾根に上がり、黒滝山の黒滝神社を参拝後、東三方ヶ森を越え、中三方ヶ森から古権現山・楢原山へ至るルートでした。
山深い東三方ヶ森山系の稜線上に踏み跡があるのは、往時の山人たちが駆け歩いた跡です。
古権現山への尾根道が歩きやすかったのも修験道の名残です。

楢原山山頂からの歩き始めは下り坂。
勢いよく飛ばして行きたいところですが、下り坂は帰りは登り坂になるので、帰路のことを考えて優しく歩きます。
それに、下りのときが一番、道迷いしやすいので、尾根が分岐する小ピークでは特に地図とGPSをよく見て、方角をきちんと定めてから下ります。
訪問時は森が冬枯れてて山座同定しやすく、地形図と見比べての現在地確定もしやすかったです。
でも、緑生い茂る夏山ではそうもいきませんので、縦走される際は慎重に方角を見定めて進んで下さいね。
「あれ? 下りすぎてない?」「谷みたいなところにいるぞ」「この尾根の先には高い山がないぞ」
ちょっとでもおかしいと思ったらすぐに立ち止まり、間違ってたら、速攻、登り返して下さい。

おかげさまで一度も迷うことなく、古権現山に着けました。
白山権現があった形跡も祠すらもありませんでした。
三角点だけがぽつんとたたずんでいました。

ここから中三方ヶ森までは、楢原山から歩いてきた距離の2倍は歩かなきゃいけません。
また標高930m近くまで下って登り返す鞍部もあるし、小さなアップダウンも数知れず。
楽な道のりではありません。
往復はしんどそうだなぁ。
片道ならなんとかなるかな、なんて、自信ないけど (^^;)

湯の谷林道で登ると楢原山はあっという間なので、時間があって、迷わない装備をお持ちでしたら、古権現山への縦走も是非、楽しんでみて下さい。

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