南麓から、鎮火2日後

笠松山(かさまつやま)
愛媛県今治市朝倉
標高357m

2008年8月24日夕方、笠松山にて山火事が発生しました!
火の勢いは凄まじく、山全体が燃えるような勢いで延焼し続け、発生から48時間で107haの山林が焼失。
集落への延焼は食い止められ、けが人や民家への直接的被害はないものの、
一時は集落まで約150mの距離にまでに迫りました。

今治市と西条市および県は対策本部を設置し、今治市は約50世帯に避難勧告を出して4世帯5人が避難しました。
延焼の恐れが出てきた西条市側も、障害者施設など2施設の計100人以上が自主避難となりました。

24日夕方から29日まで、消防隊員や自衛隊員ら、約970人態勢で延べ約3800人が動員。
防災ヘリコプター十数機や消防車など延べ約440台が投入されました。
けが人は残火処理中の消防団員ら2人のみでした。

多数の人員・機材が消火活動に投入されました。
けれど、笠松山には消防車両が入れるような道がないため、消火活動は困難を極めました。

闇夜に赤々と燃え上がる炎や、森に隠れて見えなかった登山道が黒く煤けた山肌にくっきりと露出する姿。
ニュース映像では、遠くたなびく煙などが映し出されました。

以上、「MSN産経ニュース」サイトから
以上、「毎日jp」サイトから

煙は風に乗って今治市街にも届きました。

26日は雨になりました。
懸命の消火活動と雨によって火勢は一気に弱まり、
今治市災害対策本部は26日午後5時、鎮圧を宣言しました。
鎮火宣言は、市消防本部により、発生から6日目の29日夜になされました。

報道では、出火場所付近にて、地元住民から委託された業者が、
共同アンテナにつなぐ地上デジタル放送用のケーブルを埋設する工事を行なっていたことが判明しています。
その際、作業員と住民ら17人の内、数人が午前中、「山中でたばこを吸った」との証言がでています。

9月1日、警察と消防、15人態勢で現場検証(実況検分)が行われました。
その結果、ケーブル埋設工事が行われていた南斜面中腹が山火事の発生場所と見られるとの報道がなされました。
タバコのポイ捨て、灰皿代わりの空き缶に溜まった吸い殻が発火・発熱した、など、
タバコの火の不始末がやはり原因とみられます。

一般的に山火事原因のトップは、入山者のタバコやたき火の不始末や放火、麓での野焼きの飛び火など。
ほとんどが人為的です。
落雷など、自然発生的な原因はほんの数パーセントしかありません。
山火事は人間が起こすものと云っても過言ではありません。

この年の夏は渇水対策協議会が招集されるほど、四国全体が小雨傾向。
県内はどこも酷く乾燥していました。
微少な火力でも、カラカラに乾いた落ち葉を引火させるには充分だったと思われます。
タバコの火は700~800℃にも達します。
火元としては充分ありえます。

山火事によって失われた自然は十年単位の時間をかけても元には戻りません!

日帰り登山では、必要のない火は絶対、山に持ち込まないようにしましょう!

喫煙者は携帯灰皿を持ち歩き、タバコの吸い殻は必ず持ち帰りましょう!

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