蒲山は、南北に長い尾根を有する大きな山容です。
標高700m以上を保ったまま、伊予市(旧中山町)と砥部町(旧広田村)の境を形成しています。
秦皇山や階上山、笠成山、コクゾ峰などの峰峰に取り囲まれ、山頂はなかなか見ることができません。
西麓には栗田川が流れ、東斜面からは高市川、中野川が発しています。
それらの川に沿って、川と同名の栗田や高市、中野川などの集落があります。
見上げるような高さにあるなだらかで日当たりの良い斜面にも家並みや畑、栗林などが点在しています。
素朴な山里の暮らしを垣間見ることができます。
その山間の集落を連絡する山道が山肌をジグザグに巡っています。
蒲山の北は境柱峠、南は大佐礼峠などの古峠があります。
標高700mほどの市境尾根を越え、東西の集落を結んでいます。
地図に山頂に至る登山道は描かれていません。
実際には、山頂の直近まで山仕事用の作業道が拓かれています。
標高800m付近まで車を乗り入れることも可能なので、容易に山頂を踏むことができます。
山頂は、伐採の跡以外にあまり人が訪れた形跡がありません。
風の音や小鳥のさえずりくらいの静かな山頂です。
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