成就社へ行こう!
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西之川~石鎚登山ロープウェイ~成就社
距離 約150m
標高差 約30m
距離 約150m
標高差 約30m
距離 約400m
最大標高差 約30m
徒歩
下記写真の場所

いきなりですが、
石鎚登山ロープウェイの起点、西之川地区からスタートです。
西之川はいまも昔も表参道の入口です。
マイカー登山だと駐車場のある温泉旅館「京屋」さんに自動的にお世話になります。
スクーターで来たときもしっかり、駐車料金取られました。
車は1日 500円だったけど、スクーターも同じくらい払ったような…
通常なら、京屋さんのアーケードの奥の駐車場に駐めるのですが-

その通路では参拝用品やおみやげを売ってます。
お山開き期間中は参拝者でごった返すし、
バスもマイカーも、いっぱいやってくるので、
奥の駐車場は満杯で置けず、かわって誘導されたのが、
入口を左に直角に入って直進した-



京橋を渡った対岸の駐車場でした。
あいにくの曇り空。
対岸にそびえてる二ノ岳も見えません。

橋の上から見下ろした加茂川。
車ぐらい大きな岩が点点と。
水の力って凄い。



京屋さんの真向かいがロープウェイ入口です。
と云ってもまだまだ登らないと行けませんが。

入口側に立つ石鎚登山道の道標。
「←東之川2.8km・西之川0.5km 西条25.8km→
 ←ロープウェイ0.2km」  



階段の先はS字の坂になってます。
業務用車が上り降りするため、舗装されてます。
道端にはおみやげ屋さんが並んでます。
第2の誘惑ポイントですね(^_^;)
商店に並んで石鎚○○教と名乗る施設があります。
石仏があったり、お賽銭箱があったりしますが、
石鎚神社(西条本社・成就社・山頂社・土小屋社)を中心とした
石鎚本教とは一切関わりがない、別物ですので、ご注意を。



「石鎚登山ロープウェイ」の「山麓下谷駅」に到着。
ウェーじゃなく、ウェイなのね。
僕らは昼頃着いたので、早朝登った人がもう下山されてました。

誘惑ポイントを振り切って中へ。

バスの団体が来たらすぐにいっぱいになりそうな広さ。
写真左がキップ売り場、右の通路がロープウェイの乗降口。
夏でもコンクリートの床がヒンヤリしてます。
発車は大体、20分おきなので、ちょっと待ちますが、
その待ってる間のなんとも云えないわくわくドキドキ。
遠足に来た子供のような心地です。

季節によって始発・最終が変化するので要チェック。
下山できなくなるぞ!
上記写真は古いので、元旦やスキー期間が異なります。
点検で運休する日もあるので、ホムペで要チェック!!
 → 石鎚登山ロープウェイ

2022年1月現在、料金は写真のと一緒でした。
往復:大人 2000円 子供 1000円
片道:大人 1050円 子供 520円

バスで来られた方は時刻表も要チェック。
この写真も古いので、ホムペで要チェック!!
 → せとうちバス
お山開き中は定時の間に臨時バスが出てるので、
「お知らせ」部分にも注目してね。



さぁ、出発だ!
階段を上がると搬器が待ってました。
お昼の便なのでガラガラでした。

イスはちょっとしかないので、
朝イチのラッシュ時は椅子取りゲーム状態。
僕は景色の見える一番前か後ろに立つのが好きです。

目指す成就は雲の中…。
雲の中(高さ)まで上っていくんだ!
と思えば、またわくわくドキドキ。



定時に出発。

山麓の駅がどんどん、どんどん-

小さくなって行きます、速いです。

下りはさすがに満杯でした。

山頂成就駅は雲の中なので、石鎚登山ロープウエイについて。

三線交走式ゴンドラで、定員は 51人、2輛で運行しています。
距離は 1,814m95cm、標高差は約850m。
勾配はもっともきついところで 36度48分。
そこを秒速 5m(時速に直すと18km)で移動。
所要時間は 7分30秒となっています。
昭和43年(1968)8月1日に開通しましたが、
それまでは険しい山道しかなくて、成就社まで行くのも一苦労。
昔の人は健脚だったので日帰りできた人もいますが、
現代人はどうでしょうねぇ。
便利になった一方で、表参道だった今宮道、黒川道は急速に廃れ、
集落も廃村の道をたどることになりました。

…と云ってる間に、7分半経って-



「山頂成就駅」に到着です!
ドアが開いた途端、涼しい風がさ~っとを頬を撫でます。
曇ってたら肌寒いくらいです。

ホームから階段を登ると-

待合室。
もうお詣り済ませた方が下り便を待ってました。
“いま頃、登ってくる人もいるのね”みたいな視線を感じ、
遅刻してばつが悪い子供のような気持ちで-

表に出ました。
モヤモヤは晴れないのでした。

屋根のある通路を進むと-



広場になってました。
冬ならスキー客がうろちょろしてる辺りです。
まっすぐ、登って行きます。
写真右の山へリフトで上り、尾根を左へ進み、
写真左の鉄塔の立つピークへ向かいます。
そこが成就社のある頂です。

振り返って山頂駅の駅舎を。
山頂駅は日本屋根で自然に配慮した色合いでした。



山頂駅からまっすぐの突き当たりにあるのが、
本山前神時奥之院です。
中から団体さんの読経が漏れ聞こえてました。
合掌。

この看板の示す通り、ここからリフトが出てます。
スキー場のリフトが夏山も運行してるのです。
写真の料金は古くて、2022年1月現在は、
往復券 600円、片道券 350円。
営業時間は 9:00~16:30なので、お忘れなく。

リフトを使わなくても歩いて登れます。
また、昔の登山道「今宮道」は、
ここで合流・分岐してます。



年老いた伯父と二人旅だったので、
さっさとリフトに乗ったのでした。

少し雲が晴れた、と云うか、高くなったおかげで、
成就社がある頂が見えてきました。
リフトの右の明るい緑色の部分はスキー場のゲレンデです。
下から見るとなかなかの斜面で、
直滑降、大回りしたら楽しそう(・∀・)



リフトは一旦、谷へ下ります。
成就への林道の轍の上を通過したら-

あとはぐんぐん上るだけ。

中間駅(冬季のみ)を通過。

ゲレンデを右に見ながら上ります。

スキー場でバイトしてた時、リフトは散々乗ったけど、
いまだに一人乗りのリフトは苦手です。
落ちたって知れた高さに設定してあるのに不安で、
横のポールにしがみついちゃいます(^_^;)

ちなみに下りは-

こんな景色が楽しめます。
下りは高度感・浮遊感がさらに増すので、
ドキドキしっぱなしです。



山頂駅に到着。
ちなみに、この写真は帰りに撮ったので、
伯父の背中の朱印が増えてます。

成就社までまだまだ歩きます。

ちなみに、成就社へ行く反対側には-



標高1414mのピークに展望台があります。

リフト乗り場を見下ろす高さですが-

こんなパノラマが拡がっています。
晴れていれば瀬戸内海から西条平野、二ノ岳、
瓶ヶ森もばっちり見えるのですが、残念。
すんばらしいパノラマはお楽しみにとっておくということで。
ちなみに、ここにはNHKの展望カメラがあり、
ローカル・ニュースの中でたまにこのパノラマが登場します。



さて、成就社へ向けて歩き再開。
最初は下ります。
道はよく踏まれた土の道です。



で、登り。
年寄り泣かせの階段です。

リフト乗り場と成就を結ぶ道は、
この尾根道のほかにもいろいろあるみたいです。

なだらかなところも。

ロープウェイの駅舎の方を遠望。
写真左の緑色の広場は、ピクニック園地。
冬は初心者用ゲレンデ。

この後、神社の裏の狭い路地を抜けます。
荷物専用の索道なんかあったり、急に人の気配が増します。



成就社に到着です!
山上に急に町が出現したような風景の転換にびっくり。
左は白石旅館、右は-

石鎚神社の建物で、窓口がずら~っと並んでます。
これは全国各地から来る石鎚講信者の受付。
自分の支部の窓口に行って入山の手続きをします。
一般の登山者は神門で保護料を支払えばOK。
でも、お山開き中だけで、普段は手続きの必要はありません。

境内の様子です。
境内は石鎚山に向かって左に旅館が軒を連ね、
登山口の神門から右に石鎚神社の社殿が立ち並んでいます。 

一度、消失して再建された本殿はまだ真新しく、立派です。

狛犬コレクション、阿だけ。

扁額の文字はイマイチかな。

中にはでっかい天狗さま!

3体の御神体を運んできたお神輿もありました。

本殿の左にある「見返遥拝殿」へ。

石鎚本教は石鎚山そのものも神様。
天気が良ければ石鎚山を真っ正面に拝むことができます。

境内の外れ、登山口になる神門の方へ行くと、
左側に白石旅館があって、食事休憩やおみやげを買えたり。
お山プライスのカレーをいただきました。
山開き中は信者さんの宿泊も多く、靴が玄関を埋め尽くしてました。

そして神門へ。

これが「神門」です。
ここから先は石鎚の神様の領域、ということで、
山開き中は一般登山者は登山保護料 500円が必要です。

この先、石鎚山山頂まで約3.6km。
登り2時間半から3時間、下りは2時間から2時間半かかります。
まず、1kmに渡って下り坂が続く「八丁坂」。
前社ヶ森(試しの鎖74mもあり)まで1時間。
夜明し峠、一の鎖、二の鎖、三の鎖があって、弥山山頂です。
日帰りの方はロープウェイの最終に乗り遅れないようにね。

ひとりごと

以前、ふらっと、神門の先の八丁坂まで行ったことがあります。
その時はツーリング途中の寄り道で、当時は登山の趣味は無くて、ホントに思いつきでロープウェイに乗りました。
乗ったときにはすでに午後2時だったから、山頂まで行ってたら最終には乗れないわけで。
ハイキング気分で八丁坂をちょっと歩いただけですぐに引き返しました。
帰りは八丁坂が上り坂でしんどかったのはよく覚えています。

その次に成就社を訪れたのは上の写真を撮ったときです。
伯父と西条へ、石鎚神社本社をお詣りしたときでした。
「成就社に行ってみたい」と伯父が急に云いだし、それじゃあと案内して行ったのでした。
案内って云ったって、当時はまだ一度しか来たことないし、その時のことも全然覚えてない…。
案内と云うより、高齢な伯父の世話係って感じでした。
麓の西之川に着いたのは昼前。
京屋さんに着いたら、石鎚講の信者さんがたくさんいて、さすが、お山開きは違うなぁって思いました。

ちなみに、京屋さんは温泉旅館で、白濁したお湯が自慢の宿です。
宿のご主人が岩の間から鉱泉が浸みだしてるのを発見し、ボーリングしてみたら、たった100m足らずでヒット。
源泉は透明ですが、気泡が混じるせいで白濁して見えるんだそうです。
通常、泊まり客以外は、土日祝日しかお風呂には入れません(平日に入りたかったら予約が必要)。

伯父は京屋前の売店で、まわりの信者さんが着てるような白いはっぴを購入。
白いはっぴには朱印を押してもらいます、納経帳みたいなもんです。

石鎚ロープウェイの山麓駅へ行く途中の坂道には売店の他、怪しい宗教団体の施設も点在しています。
それらは“石鎚”の名前は付いているものの、石鎚本教とは全然別物。
石鎚山は霊山ですから、いろんな人を呼び寄せ、目覚めさせてしまうようです。
二の鎖の辺りで「○○教は石鎚本教とは無関係です」って貼り紙をみたことがありました。
間違えてお賽銭入れちゃダメよって注意書きですが、でも伯父はそんなこと知らないもんだから、早速、お賽銭をちゃり~ん。
ほかにも結構、お賽銭入れてる人を見かけました。

伯父のおごりで乗ったロープウェイはガラガラ。
昼から石鎚に登る人は、成就社や山頂小屋に泊まる予定の人か、僕らみたいに成就社参拝が目的な人。
下り便は信者さん満載で、重たい分、加速付いたみたいにさっと通り過ぎて行きました。
一瞬でしたが、お年寄りから子供から、満足そうな笑顔やあ~疲れたって顔、いろんな表情を垣間見ることができました。

ちなみに、標高差850mを一気に稼げるロープウェイに乗らず、西之川から成就社まで歩いて登ったら、2時間15分はかかります。
下りは1時間40分です。
ロープウェイの最終に乗り遅れて、成就に泊まるのもイヤなら、2時間近くかけて歩いて下るしかないです。
でも、秋以降はライト持ってないと歩いて下山はきっと難しいです。

昔の人は、西之川よりずっと手前の河口地区から今宮道を登っていました。
今宮道の標準コースタイムは3時間半です。
もう一本、黒川道もあるけど、台風被害などで傷んでるところがあるためか、市の方でも宣伝してません。

山頂駅に着いてリフト乗り場まで歩いてた時でした。
下山してきた白装束の一団が前から来たのですが、なんか、様子がおかしい。
その中心にいたおじいさんが腰が抜けたようにへたばってて、左右の人に支えられてやっと歩けてる状態だったのです。
足どりはふらふらだし、いまにも倒れそうな限界状態。
下山途中で体力を使い切ったみたいでした。
ギリギリの状態で下って行かれました。

お山開き中は、登山道で高齢な方ともよくすれ違います。
年に一度のことだからと、それはもうお元気です。
おじいさんひとりじゃムリでも、信者さんみんなで助け合えば山頂を踏むこともできるんだ。
まさに、恐るべし信仰心、そして、石鎚 LOVE を見た瞬間でした(^_^;)

一方、ウチの伯父はリフトを降りた後の尾根道ですでにヘロヘロ。
どこへ行くにもマイカーで、ドア・トゥ・ドアな生活してたら、そりゃ仕方ないです。
でもなんとか成就までたどり着くことができて感無量って感じでした。

超人的な伝説だらけの役の行者(役小角)が1300年あまりの昔に石鎚山を開山しました。
下山後、山頂を振り返って「吾が願い成就せり」と云ったのが成就社の「見返遥拝殿」のある場所。
“成就”の由来となっています。
昔は“常住社”とも書いてましたけどね。
慶長15年(1610)に豊臣秀頼が成就社を造営するなど、天皇や武家にも人気でした(真面目に書くと“厚い信仰を受けていました”)。

しかし、明治22年(1889)、火災で焼失。
すぐに再建されましたが、昭和55年(1980)11月13日、再び焼失…。
昭和57年(1982)6月20日に再建され、いまに至っています。
建物が古い感じがしないのはそのせいです。

成就社の境内には白石、玉屋、日の出の3軒の旅館があります。
訪問当日はお山開きで来てる信者さんでどこもいっぱい。
白石旅館の食堂でカレーを食べましたが、厨房の方は夕食の仕込みでてんてこ舞いって感じでした。
ちなみに、カレーの値段は山プライスだったけど、味は普通でした(^_^;)

伯父ははっぴに朱印を押してもらいに行き、僕はあっちこっちを撮影。
伯父は念願の成就社に初めてお詣りできて大満足の様子。
僕も久しぶりの成就社に来られてよかった。
二人とも笑顔で下山しました。

次の年も伯父は行きたがったけど、あきらかに体力が落ちてたので連れて行けませんでした。
伯父にとってこれが最後の成就社参拝となりました。

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