船野山、三宝ヶ森は、道後平野の東端にある山山です。
間に国道11号線を挟んで北に船野山、南に三宝ヶ森は位置します。
船野山の北裏には松山自動車道の桜三里PA、三宝ヶ森の東麓には面河へ向かう国道494号線が通ります。
一帯は国道・県道が谷間を道後平野に向かう交通の要衝です。
周辺は北の高縄山系と南の石鎚山系の稜線が出会う一帯で、山並みが複雑に入り組んでいます。
山肌は自然林と人工林が交わり、緑豊かです。
船野山は、桜三里の登り口にあります。
北側の松山自動車道がある松瀬川の谷は古くは金毘羅(讃岐)街道が通っていました。
牛馬の通った時代の桜三里は追いはぎや盗賊の伝承も残る険しい山道でした。
平野部から山へ分け入る場所にちょうど聳える船野山を前に、昔の旅人は心を引き締めました。
峠を無事に下って来られた旅人は眼前に拡がる緑の平野にほっと一息ついたことでしょう。
東西になだらかな山容で、西下る尾根が鋭利に突出しています。
上空から見ると文字通り船のような姿で、真横から見ても荷を積んだ川船のようにも見えます。
(山名の正確な由来は不明です。)
西に開けた稜線を活かし、山頂には携帯電話局などの通信施設の塔が立っています。
稜線には送電鉄塔が点在し、四電の巡視路を登山道代わりに利用することができます。
南斜面にある林道を利用するのがもっとも楽です。
(但し、山頂手前に私有地立ち入り制限があり、山行には注意が必要です。)
中世、船野の城、舟野砦と呼ばれた城があったと云われます。
中山口の守備として堀口備中守堯氏がこれに当たっていたそうです。
地図を見ると船野山の名は西よりの頂に冠されています。
東奥に連なって高くなる幾つかのピークがあります。
「烏帽子釆」三角点のある場所がこの山体で最も高い頂になります。
三宝ヶ森は、久万・面河方面から黒森峠を越え下る道が桜三里と交わる辺りにあります。
表川が刻み、育んだ河之内の谷の下部、西側に位置します。
地図上に山名は記載されていません。
けれど、明治頃の資料には「三寶が森」の名で登場します。
同名の「三宝ケ森」三角点が山頂に設置されています。
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