番駄ヶ森・ケタ山・大磨山
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大磨山へ
距離 約550m
標高差
(最高)
約40m
徒歩
下記写真の場所
見晴らしあり

ケタ山からは少しの急坂を下ります。

ここでも境界杭が目印。
尾根を下る時が一番、迷走しやすいので、
GPSやコンパスが無い時は慎重に進みましょう。



しばらく細い尾根を進みますが、
ここでも岩が顔を出してて邪魔してくれます。
でも、左(東)側がまた伐採地なので-

どんな景色が拡がってるのかと、
斜面に降りてみたら-

  

花山越の大・大伐採ゾーンでした!
このエリアで一番、広く、それも皆伐されてました。
弧を描く尾根に沿って、写真右の花山越まできれいに伐採されてます。
2年前(2008)に花山越を通った時もかなり伐採されてたけど、
重機やチェーンソーの音がうるさいほどこだましてました。
今日は下の方でチェーンソーが2、3台、うなってるぐらい静かでした。

  

ここから見ると井内の段々畑は、
かなり高いところにまで作ってあるんですね。
写真右の方には皿ヶ嶺の竜神平も見えています。

  

花山越をアップで。
昔は大根木峠とも呼ばれてました。
花山は上林側の集落名、
大根木は井内側の集落の名前です。

  

送電線が横切る八の字シルエットの鍵山を中心に。
伐採は鍵山の方まで行われた様子。
花山越へと下った尾根は鍵山から前々司、善神ヶ森と、
皿ヶ嶺連峰の主稜線に連結します。
大磨山はこの尾根のラインから少し離れたところにピークがあります。



細尾根は木が谷へ傾いて育つので、
林が自然と左右に開いて歩きやすかったりしますが-



岩がで~んと邪魔してるところは、
そりゃ、歩きづらい。

  

岩の上で振り返り、ケタ山と遠く小さく見える番駄ヶ森を。
「あそこまで帰るの、しんどいな~」とか、
弱音を吐いたら疲れてる証拠。
休憩しましょう。



岩の小ピークから下ったらまたひと登り。

最後は膝丈のクマザサを踏み登りました。

切り株で見つけた今春初の蝶蝶。
羽の裏の模様が地味で蛾っぽいけど。



  

上林・下林・井内の地区境のピークに到着。
このピークから花山越を結ぶ境界尾根までが伐採エリア。

  

斜面にマツが2本残されてたけど、なんとなく淋しそうで、1本は枯れてるし、もう1本も先端が枯れ色です。

ケタ山や大磨山を登る時は、花山越から伐採ゾーンを登ると早いでしょう。
斜面にスギなどの苗木が植えられていたら、必ず踏み折っちゃうので、伐採地の端っこを通るようにしましょう。

  

大磨山は伐採地に背を向けた西方向にあります。
尾根に沿って森に入る最初のところはササや雑木が邪魔しますが、入ってしまえば木の間隔が広く、歩きやすいです。



岩ピーク。
石柱は頭に+が彫ってあるけど、
古い境界杭です。

「八二」の杭からまた下り。



大磨山の森は古いようで、
おかげで木の間隔が広く、歩きやすいです。



  

山頂目前の大岩はまた左から迂回。
岩より木が大きく育ってしまい、岩の上に立っても見晴らしはありませんでした。

そして最後の登りです。



大磨山山頂に到着しました!
長細い山頂は全体的に植林されていて、
残念ながら見晴らせるところがありませんでした。
そこで西尾根を少し下ってみることにしました。



まだ新緑の季節が来ていなかったので、
こんな風に透けては見えましたが-

なんとなく見えてる松山方面。
春過ぎには葉っぱで完全に塞がれ、
見えなくなってしまうでしょう。

西へ向いて下っていく境界境の尾根。

ひとりごと

2年前、南にある鍵山を訪ね、その帰りに花山越を通りました。
伐採作業の真っ盛りって感じで、遠くから重機やチェーンソーの音が賑やかにこだまする光景はとても印象的でした。
今回改めて尾根から見渡してみて、潔いほどにきれいさっぱり伐採された斜面はちょっと感動ものです。

伐採には、「主伐」、「間伐」、「除伐」、「皆伐」、「択伐」などがあります。
今回のお山歩で何度か通った、斜面一面の木がすっかりないような、伐採対象区域にある木をすべて伐採することを「皆伐」と云います。
皆伐は作業効率が良くて、一番の経済的な方法だそうです。
スギやヒノキは大体、50年くらいで一人前です。
地面を平して買った苗木を植え、その後は定期的に雑草なんかを下刈りし、5年間の初期費用だけでも1ha当たり、175万円もかかるんだそうです。
その後も除伐や間伐に75万円…。
合計250万円!
切り出した木を山から運び出すにもお金がかかります。
運び出す道がなければ、造成にもお金がかかります。
でも、木材の値段は最初にありき。
結局、費用が回収できず、赤字になっちゃうことも多いです。
お金にならない影響は山村の過疎まで招きます。
放置された森はCO2の吸収率も低下。
日本の林業は問題だらけです。
戦後に植林された木木がいま、大きく成長し、伐採されるのを待っている状況です。
つまり、有効活用できる方法さえ見つかれば、日本は莫大なお宝がお山に眠っている状態とも云えます。
植える→育てる→伐る→植える…の林業のサイクルが上手く回れば、日本のお山はもっと生き生きすると思います。

きれいさっぱり、伐採された空間は変に清清しいものです。
林業の未来とか、考えながら歩いて…、るわけなくて。
弧を描く尾根の内にある斜面は雪が2mくらい積もったら面白いゲレンデになりそうだとか、そんな脳天気なことしか思いつきませんでした。

森に住んでた動物たちにとっては森が消えちゃうことは災難、いや、大災厄だったでしょう。
強制的に追い出されて、新天地へ移っても元からいた動物たちとエサや縄張り争いでケンカになったり。
きっと怒ってるんだろうなぁ。

動物と云えば、大磨山山頂の手前で突然、どさ!がしゃがしゃ!っと、木の上から大きな音がして、なにかが逃げていきました。
姿は見えなかったけど、多分、お猿さん。
前回の南三方ヶ森でも遭遇したし、今年は猿な年になるかも。
基本、動物は臆病なので、出会い頭にバッタリとか、逃げられない状況に追い詰められない限り、襲ってくることはありません。
大抵、向こうから身を引いてくれます。
今回もストックには鈴をぶら下げてたし、腰に提げたスピーカーからも大きな音を鳴らして、人間の気配を振りまきまくりながら歩いてました。
前もって人間の気配が分かった方がストレス少ないもんね。
伐採で森を追い出されて、お猿さんもホントは相当、怒ってるかも知れないけど。

それから、お山では弁当の食べ残しとか、絶対、捨てないように。
野生の猿が人間が食べてる物の味を覚えちゃうと、日光の迷惑ザルみたく、「人間=エサ」と見方が変貌しちゃう恐れがあります。
残飯も必ず、持ち帰りましょう。
クマにしろイノシシにしろ、人間の食べ物の味や高カロリーを覚えちゃった動物たちが街に降りて来ちゃうんです。
そして、挙げ句の果てに銃殺されたり、可哀相なことになってる。
元々は人間のせい。

お猿さんにビックリさせられながらも、大磨山に無事到着。
見晴らしよさげなところはないかと、少し西側に下ってみました。
森が途切れることない感じがしたので、あきらめて引き返しました。
山頂からの見晴らしが全然なかったのは残念でした。
でも、ほぼ計画通りに歩けた達成感で充分、満足しました。
セブンスターで買ってきたゲソ天で遅めの昼食して小腹もふくれたし。
というわけで、長居は無用と引き返しました。

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