転機が訪れたのは2009年の初夏のこと。
愛媛県立図書館でいつものようにお山関係の調べ物をしていたら、
隣の机でたたみ2畳もあるような大きな古地図を拡げる人がいました。
元来、古地図も好きな質なので、こっそり、興味津々。
その人が所用で席を立ったすきに、速攻、地図を覗き見ました。
それは明治時代初期に作成された温泉郡の地図で、
ほとんど手書きに近いものでした。
“もしかしたら…!!”
その日は閉館時間も迫っていたので、
地図の名前や分類番号をメモするだけにとどめ、
翌日、朝イチで古地図の閲覧を申し込みました。
と同時に、周桑郡、久米郡、風早郡、越智郡など、
同種の地図があることも判明。
折りたたまれた地図を丁寧に机いっぱいに拡げ、
筆で書かれた手書きの地図をなめるように見回すと、
現代の地図には載っていない地名・山名がふんだんに載っていて、
「忘れられたお山」探しをしていた僕にとって、まさに宝の地図!
地図の端っこ、隣郡との境界線をたどると、
南三方ヶ森、西三方ヶ森、中三方ヶ森の文字が、
次々と見つかりました!
ついに、山名が載った地図を見つけることができました。
おまけに、お山の位置は、
資料の行間から想像・推測していた場所とほぼ一致。
そのこともちょっとうれしい瞬間でした。
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