自由研究 地図から消えた
○三方ヶ森
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おまけ。

北三方ヶ森から南三方ヶ森にかけて、たくさんの頂が連なっています。
地図を見ると伊之子山以外、名無しの無名峰となっています。

でも、今回、明治の古地図からたくさんの山名を発見することができました。
ホントは無名峰なんかじゃなかったんです。

北三方ヶ森~水ヶ峠、水ヶ峠~南三方ヶ森の二つに分けてご紹介します。


①:北三方ヶ森~水ヶ峠

『久米郡地図 地誌付から』から

  北三方ヶ森
  潰ヶ森
  皿ヶナル
  土居森
  焼ヶ峠
  黒松ヶ森
  マキガモリ
  佛ヶ森
  大佛
  水ヶ峠

たった3.5kmの距離にたくさんの山名、峠が書き記されていました。
温泉郡と越智郡の境界線だった影響もあったのかと思います。
山名がたくさんあると云うことはそれだけ人の出入りも多かった証拠です。

現代の地図は、


殺風景。

上記の山名を当てはめると、


こうなります。
本来はとても賑やかなのです。

北三方ヶ森~水ヶ峠間は、“四国のみち”として登山道が整備されています。
長~い階段が辛かったりしますけど。
山名って云う小目標があれば、尾根歩きもずっと楽しいよね。


其の壱:水ヶ峠~南三方ヶ森

『久米郡地図 地誌付から』から

  水ヶ峠
  三ッ口ノ森
  左谷ノ森
  子シレヲノ森
  赤潰ノ森
  長板ノ森
  馬ヶ峠
  クチワルノウネ
  魚谷森
  南三方ヶ森

こちらの距離は約4.3km。
やはりたくさんの山名、峠が書き記されていました。
昔から松山、今治の大切な水源の森林地帯でした。
いまは国有林として管理されています。


これが
 こうなります

こちらもとても賑やかです。
伊之子山は、昔は三ッ口ノ森と呼ばれていたようです。

水ヶ峠~伊之子山間は登山道があります。
けれど、伊之子山以南は、明瞭な登山道がありません。
尾根伝いなので、冬季なら歩きやすいでしょう。

ひとりごと

現代の地形図上で無名峰な山山にスポットを当ててみました。
いかがだったでしょうか?

石鎚山系にも、無名峰扱いの頂が結構存在します。
例えば、面河ノ頭や鞍瀬ノ頭、面河山などです。
それらのお山は、地元はもとより、石鎚山系を愛する登山者達の間では当たり前に呼ぶ山名です。
けれど、最近の登山ブームで山登りを始めた人たちは、そのことをまったく知りません。
調べようとも思わないし、せいぜい、ネット検索するくらい。
地図に載っていないということで、無名峰だと勘違いしている人が大多数な状況です。
そこで、困ったことが起き始めています。

勝手山名の命名行為が行われていることをご存じでしょうか?

勝手山名とは、個人が勝手にお山に名前を付けることです。
滝が好きな人たちが、無名な滝を見つけては勝手に名前を付ける行為が一時、不快だと言われた時期がありました。
あれと一緒です。
ひとりで呼んでる、使ってる分には何の問題もありません。

問題なのは、勝手山名をヤマレコなど、複数の人が目にするインターネット上で使用していることです。
仮りの山名である旨のおことわりでもあればまだマシな方。
あたかも、それが正式な山名であるかのように使用しているのです。
とある登山愛好会の会員などは、「私たちが命名しました、えっへん」って感じで。

初めてその状況を目にしたときは大変驚きました。

無知もはなはだしい、と。

二ノ森をベースに、鞍瀬ノ頭を一ノ森、面河の頭を三ノ森と、勝手に命名しているのです。

それだけではなく、山名標、山名版まで作成して、山頂に設置までする人も出る始末。

地図に名前が載ってないからって、全部が全部、無名峰なわけ、ないでしょう。
山名がきちんと載っている登山ガイドブックもあります。
ネットの情報か、知り合いの登山仲間の話だけで登山しているのでしょう。
よくよく調べもしないで、登山道のない面河の頭とか登りに行くんだから、困ったものです。
そして、またその話をネットの登山投稿サイトに投稿、勝手山名を書き込むのです。
その記事を読んだ人は、勝手山名と知らず、鵜呑みにしてしまうわけです。

当然、勝手山名を見つける度、コメントなり、メールなりで訂正を促すようにしています。

個人的には、山頂を訪ねて、勝手山名が書かれた山名標を叩き割りたいくらいの気持ちでいます。

それ以前に、あの地域は石鎚国定公園です。
常設となるだろう山名標の設置は、環境省の許可が必要です。
山名標だろうがなんだろうが、ゴミを置いてくるのと一緒です。

登山って、登るだけで終わりですか?

深く調べろとは言いませんけど。




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